期首更新
新年度を迎え、今期もランキングを更新。
河合塾偏差値、有名企業400社実就職率ランキングをはじめとした各種指標における位置づけの変化(あまりガラリと変わったものはないが)、全国の学歴監督のみなさまから寄せられた数々のコメント、自分でランキングを見直してみてどこかモヤッとしたところを中心に手を入れていった。
S級
ランキング的には変化なし。ただ、実際には細かい点まで見てみると、全く動きがないという訳ではない。
A級
慶應義塾大学
就活最強大学がまさかのワンランクダウン。理由は、「早慶」に対するこれまでの学力評価がやや過大だったことと、早稲田大学が人気面等で逆転してきているため。
早慶の偏差値は非常に高いものがあるが、トップとはいえやはり私立大学の例に漏れず推薦入学者や内部進学者が非常に多く(そこもレベル高い人達が多いのは承知の上だが)、その高偏差値競争を潜り抜けたのは実は入学者の約半数強しかいないこと、「東京一科」の滑り止めにもされるため早慶に合格しても最終的に入学しない人も多く、入学者学力はみかけの偏差値よりも下がらざるを得ないところが実態としてある。
A級国立大学でさえも早慶の併願成功率が極めて低いことがよく取り沙汰されるが、専願難易度と併願難易度は異なるため、それで単純に地方旧帝国大学の学力水準が早慶のそれには及ばないという理由にはならないのである。
学部間格差も激しいが、やはり早慶上位学部の実力はすさまじく、特に理工については東京科学大学とも変わらないのではないか?と言われるほどの超難関。早稲田大学の政治経済学部も含め、準S級と呼んでもいいくらいだ。
それ以外
その他は変更なし。この中でいま最も勢いがありそうなのは、やはり国際卓越研究大学に唯一選ばれた東北大学か。
一方で、「学生の評価とはまた別」「文系は厳しいのでは」という声もかなり頂く(まさか同一人物ではあるまいな?)ので、意外と冷静に受け止めている人も多いようだ。
B級
国際教養大学
半年前の文系ランキング更新で頭出しはしておいたのだが、その後有名企業400社実就職率ランキングは修正されることはなく、数年前の就職実績の輝かしさが少し落ち着いてしまった様子。
学力的にどのレベルにあるのかは諸説あるのだが、科目数や一般入試での入学率という点ではこれも旧帝国大学の重量感には及ばないところ。このレベルだと推薦入試も難しそうであり、今回の降格はかなり厳しい判断であることは承知しているものの、これからの奮起を期待したい。
これにより公立大学は、大阪公立大学とのツートップ体制となる。こちらの大学に関してはA級大学を脅かすような指標上の変化はまだ見られないが、学費の完全無償化や新キャンパスのオープンなどはこれからであり、今後の展開次第では公立大学単独トップに躍り出る可能性も見えてくる。
岡山大学
最近、大手企業就職の実績が芳しくないようだ。岡山大学といえば国家総合職の合格者数で数年前に話題となり、学生(大学)の志向としては明らかに公務員試験寄りなのだが、それを加味した分母補正ランキング(23年度)でも金岡千広では最下位に甘んじているのが現状である(分子に公務員加えると3位)。
偏差値では金沢大学より高いように見えるが、両者では推薦率に大きな違いがある(また、当ランキング上はあまり重要視していないが金沢大学は理工研究の質がかなり高い)。地元の受験事情において岡山大学と広島大学は2強として認識されていることは重々認識しているが、今回は残念ながらワンランクダウンとさせて頂いた。
C級
兵庫県立大学
念願の昇格。姫路工業大学を前身とする理系学部は就職になかなか強く企業推薦枠も多い。
W合格した場合、関関立を蹴ってこちらに入学する方が多いようだ(ただし同志社大学相手には分が悪い模様)。
茨城大学
関東圏の国立大学なだけあり、準5Sほどの実力はあると判断。ちなみに工学部は二次試験で3科目必要であり、C級国立としてはなかなかの重量感がある。
24年度有名企業400社実就職率ランキングは補正なしで13%超え。近くにはC級上位中位大学も多くあればB級大学もみられるため、相応のランクへと引き上げ。
岩手大学
元々C級下位から中位に昇格していた大学だったのだが・・・完全に公務員寄りの大学とはいえ、有名企業400社へ行く学生比率が4%というのは流石にきつい・・・。難易度面でも地方国立標準レベルのC級下位相当から抜けているとは言い難いか。
近畿大学
産近甲龍の中では抜群の存在感。就職実績においても関西大学との距離を縮めてきているようであり、ニッコマからついにC級大学が誕生した。
それにしても、関大はなぜあんなにも全然就職奮わないんだ・・・?
D級
水産大学校
参考掲載とはなるが、水産庁が所管するということで国立大学として掲載。現在は山口県の下関市にあるが、設立当初、実は釜山にあったとのことで興味深い。
学力水準は「北北秋琉室」くらいかと(まだ生きてるのかこの大学群?)。
二松学舎大学
なぜか野球を連想するのだが、それは高校の方。由緒正しい伝統があり、かつては慶応義塾に並ぶくらいの名門と評され、両方通った偉人に犬養毅がいる。
偏差値的には日東駒専下位には届いていそうだが、やはり推薦率が高いのが気になるところ。西の「外外経工佛教」あたりのレベルに相当する「立東文松」という大学群がある。
ノートルダム清心女子大学
こちらも、半年前の文理別ランキング更新時の頭出し通り。
E級
大和大学
推薦率非公表などもあり、ずっと判断に迷い続けていた大学だったが、理工学部の卒業生が就職で結果を出しているようで、一気に流れ出した感がある(まぁ最近は現業職も深刻な人手不足が続いているので高卒だけでなく大卒にも手を伸ばしているのだが・・・真相はワシには分からん)。
熊本学園大学
リクエストにより掲載を検討。偏差値としてはBFの学部はないようで(もはや偏差値では学力比較出来ないかもしれないが・・・)、2024年度は有名企業400社実就職率ランキングでも200位以内にランクインしたとのことで、地方大学でありながら就職でも実績を残している。
その他
E級掲載分以外にも取り上げたい大学はたくさんある。
のだが、有名企業400社実就職率ランキングに最近ランクインを果たしたものの、偏差値はそこそこだけど推薦入学者があまりにも多すぎたり、一般入試の入学者が多くて頑張っているのは良いけどBFだらけだったり、なんとも悩ましい。
異動
慶應義塾 A級上位 ⇒ A級中位
国際教養 B級準A ⇒ B級上位
岡山 B級中位 ⇒ B級下位
兵庫県立 C級中位 ⇒ C級上位
茨城 C級下位 ⇒ C級中位
岩手 C級中位 ⇒ C級下位
近畿 D級上位 ⇒ C級下位
水産大学校 D級中位(新規追加)
二松学舎 D級中位 ⇒ D級下位
ノートルダム清心女子 D級下位 ⇒ E級
大和 E級(新規追加)
熊本学園 E級(新規追加)