※2021年2月リリース記事をリライト
構成
・東京大学
・京都大学
・一橋大学
・東京科学大学(旧 東京工業大学&東京医科歯科大学)
レベル帯
S級上位~S級下位
概要
S級大学とほぼ同義(同レベル帯として、医学部や気象大学校などもあるが)。
「そっちの記事を見といて下さい」でもいいのだが、仮にも学歴を扱っている当サイトとしてはこの言葉をぞんざいに扱う訳にもいかない。敢えて記事を分ける以上、該当ランクの説明記事と同じことばかり書く訳にもいかないので、グループとしてのまとまり・格差など、より大学群色の強いテイストでご紹介したい(つまり言い方を変えるだけで中身は・・・ )。
起源
言うまでもなく日本最強の大学群であるが、大学群としての起源、つまり「誰がいつ言い出したのか」は定かではない。ワシが受験生だった頃(ン十年前)にはこの大学群の存在は小耳にすら挟んだこともなく、間違いなく存在していなかったと言ってよいので、意外にも割と新参な部類のユニットなのである。
進学校、予備校などでは、当然この4大学を最前に出して進学実績をアピールするが、古参の大手予備校においては、あまりオフィシャルに「東京一科(東京一工)」とド直球に使っている場面も見たことがない。
そういう意味では、世間一般で定着しきっているかは実は微妙なところであり、学歴用語の域は脱し切れていないのかもしれない。世間一般で定着しているのは・・・やはり「東大・京大」だろう。学歴厨にとっては今時この2大学を並べて語るなど論外のようだが、世間ではまだまだ「早慶」並の人気コンビなので、普通の人間のフリをして話に入る際には注意が必要だ(どうせ大学の話の時だけ妙にイキイキし始めるんでしょ)。
実力順に上から並べると、この4大学が一番強いのは疑いようがない。だが、大学群としてこの4つを括ることに異論を唱える者もいない訳でもない。
格差
偏差値
数字は敢えて書かない。特に東大理系の偏差値は旧帝医学部すら凌駕する程になってしまい、最近では「S級上位」という表現すら失礼になりつつあるくらいの独走ぶりだ。東大と京大との隔たりを考えると、「東大」と「京一科」という分け方も最近はよく見られる。上に上がれば上がるほど一段一段が険しくなり、「京一科」をS級とするなら、さらにその上の階級に「東大」があるようなものらしい(何級にしようかな 笑)。
東大と京大ではどっちが1位でどっちが2位かは元よりハッキリしていたのだが、京大文系はもう3位に追いつかれつつあることが偏差値からは読み取れる(ただし上位層はまだ差がある)。
理系では少し様相が違い、東京科学大学は共通テストが実質不要、社会はおろか国語も要らないようなもので、とにかく理系科目に特化していることから見かけ上の偏差値以上に京大との差はありそうだ。その分、理数が尖っていないといけないという別の意味での難しさはあるが。
京都大学と東京科学大学との差についても諸説あり(こういうのは立場によって見え方が変わる)、しかも一橋大学と東京科学大学の関係も「文理の差」と「京大との距離」が入り乱れてしまい、「京一工」内での優劣・距離感に関する認識というのは、なんとも定め辛いものがある。
就職
S級大学の記事でも書いたが、ここは「東京」と「一科」の違いが鮮明に表れるところとなる。東大生・京大生にとっては大手企業・有名企業400社など憧れでも何でもなく、彼らはより高尚な研究者、最難関のプラチナ資格、そして型にはまらない腕一本での起業等を目指す。
一方で商工のエキスパートたる「一科」は就職の世界では無類の強さを誇り、その志向は「東京」とは全く違うものである。とは言ったものの、就職無双学部の工業系での最高峰の東京科学大学ならば本来ほぼ全員が大手へ行けるはず・・・有名企業400社実就職率が5割近くとはスゴイ数字だが、そうは言ってもなんか物足りなくないか?と思うだろうが、おそらくはその分、大手メーカーだけではなくコンサルなど自由応募就職への道や、研究への道へと進んでいく学生も多いのだろう。
ちなみに関東では、京大を外して早慶を入れることで「東一工早慶」という括りが使われることもあり、この5大学が就活の説明会等で別枠として扱われるケースもみられる(やはり早慶ってオトク)。
研究
以下の表は24年12月に発表された科学研究費の新規採択件数と新規採択率。無論、これだけで比較が出来るほど研究力をはかるのは容易いことではないのだが、わかりやすい一指標として掲載。
新規採択件数 | 新規採択率 | |
東京大学 | 1,382件 | 40.1% |
京都大学 | 974件 | 39.2% |
東京科学大学 | 276件 | 33.9% |
一橋大学 | 98件 | 51.3% |
一橋大学の採択率は圧倒的だが、あくまでメインとしては社会科学だけなので応募・採択の件数・範囲はかなり限定的だ。東京科学大学、そして地方旧帝国大学の打率も3割半ばが精いっぱいである中、東大と京大の2大学は量的にも質的にも強く、取り扱っている分野がとにかく幅広いにもかかわらず突出した結果を出していることが分かる。
まとめ
地上最強の大学群だが、レベル的にも性質的にも地域的にも、実はあまりまとまっている感がないような結論に至ってしまったのだが、我が国の学力格差の拡がりも留まることを知らない中、超難関大学として着々と認識されてきている側面もある。
社会人にとっての成果・指標の1つである「年収」も大学別平均のTOP層をほぼ独占しているような状態となり、入試時の大変な苦労相応の見返りを得られる可能性は十分にあるということが実証されている言っていいだろう。
したがって優秀な受験生のみなさんは、「イマドキ学歴なんて役に立つのだろうか」だの「レールに乗った人生なんて」だの「人生のコスパがどうのこうの」だのつまらない迷いを抱くことなくただひたすらに真っ直ぐと東京一科(S級大学)を目指してもらってよい。
たとえこれから学歴フィルターが緩くなり学歴の価値が薄れてこようとも(ぶっちゃけこれからもあんま変わらんとは思うけど)、日本国が存続する限りこの4大学だけは未来永劫、特別扱いされ続けることは揺るぎない。
見事、東京一科(S級大学)に入った方々は、いまだ健在である学歴社会の頂点(上位1%)に君臨したという誇りを持って、日本を引っ張っていって欲しい・・・ま、そこまで気負い過ぎず、第一には自分自身のためにその超高学歴を活かせばいいのだけど。
真っ当には活かしてほしいところだが、「世のため人のためにそのアタマを使え」なんて言われたって、却って使う気ならなくなるよな(笑)。