構成大学
・津田塾大学
・東京女子大学
・日本女子大学
レベル帯
C級中位~C級下位
概要
私立女子大最高峰
当大学群が結成された背景や経緯等は定かではないが、群内の差はあれど昭和の時代から日本最難関の私立女子大として定着している。国立大学を含めても、この3校の上をいく女子大は2校しか見当たらない。
女子大不人気により時代の流れからその地位を落としてしまったという不遇の歴史があるが、現代においてもその学風・イメージの良さもあって大手企業への就職率は「GMARCH」水準を堅守している(注意点あり:後述)。
大学の設立も古く、いずれの大学も100年を越える伝統が脈付き、津田梅子・新渡戸稲造・渋沢栄一といった、おなじみの偉人たちも関係しており、我が国の紙幣(お札)となにかと縁を持つ大学群である(ヘンな皮肉ではありません)。
「お嬢様」か?
女子大と一口に言っても学風は様々であるが、当大学群においてはいわゆるコテコテの「お嬢様」と呼ばれる大学はない。
強いて言うなら日本女子大学が群内では最も「お嬢様」に近いようで、附属校からの内進生はお金持ちも少なくはないが、それ以外では庶民的な学生が多いとのこと。
津田塾大学・東京女子大学・日本女子大学、左へ行くほど庶民派で意識高い、右へ行くほどお嬢様(緩めだが)でおっとりしているイメージ。
女子大の意義
「花嫁修行」だけではない
大学の隆盛はまさに時代を映すと言えるが、女子大も社会の変化に翻弄された運命を辿ってきた。女子大はそもそも家政学科を主に学び良妻賢母を目指すというイメージが強いのだが、それだけではない。
津田塾大学は英語教育からスタートしており、東京女子大学も戦後に新制大学として再スタートした時には英文学等を学ぶ文学部が設置され、その強みを活かして数多くの人材を社会に送り出してきた。
苦悩の歴史
しかし、戦後長きにわたり「女性は結婚して家庭へ入るもの」という風潮は続き、女子大で4年間学び続ければ「婚期を逃す」という危機感から、高度経済成長期以降は短大が人気を集めるようになった。当然、4年制大学である女子大の方がより高等教育という位置付けなのだが、寿退社が当たり前だった時代においては短大卒業者の方がより長く働いてくれる可能性が高いため、むしろ短大の方が就職が良くなることすらあった。
その後、女性の社会進出に伴い女子学生も短大⇒四大への移行が見られたが、今度は共学の人気により、女子大学のプレゼンスは高まるどころか決定的な衰退を迎えてしまうこととなった。
「女子大御三家」の今昔
① 15年くらい前
当大学群は女子大の歴史の中でも、いつからかは不明だが、長きにわたり私立女子大の頂点として活躍してきた。
女子大の立ち位置の変化とともに、当大学群の立ち位置も大きく変化している。現代においてはC級大学というランクにはなっているが、2000年代の初め頃は、入試難易度の面でも「GMARCH」あたりと同じ水準にはいたように記憶している。
② 30年以上前
さらに時をさかのぼること1980年代の後半、その時期の偏差値ランキング表を見ると、津田塾大学は慶應義塾大学の下位学部、東京女子大学は「SMART」(当時その大学群はなかったと思うが)、日本女子大学は「MARCH」と同じ水準に位置していた。
つまり、当時の「女子大御三家」のランクは以下の通りとなる。
大学 | ランク |
津田塾大学 | A級下位 |
東京女子大学 | B級準A~B級上位 |
日本女子大学 | B級中位~B級下位 |
津田塾大学は当大学群の中でも圧倒的なトップであり、「一流大学」と呼べる基準であるA級大学に属していたと言っていいだろう。
③ もっと前
ここからは確たるエビデンスがなく、ご年配の方から聞いた話に過ぎないが、バブル期よりさらに一世代前の時代ともなると、津田塾大学は早慶よりも入試難易度が高く、それはそれは難しかったとのこと。偏差値等の資料はないので何とも言えないが、もしかしたら当時におけるS級大学の次元にあったのかもしれない。
これほどの栄華を極めていたので、女子大、とりわけ当大学群については世代間における認識の違いが相当強いことだろう。今の当大学群における学生だと、上の世代から想像以上に褒められ過ぎて「?(笑)」になるかもしれない。逆に若い人たちは、自分の親レベルに年上で「女子大御三家」ご出身の方と出会った場合、相応のリアクションをとっておいた方がいい(笑)。
現代のB級準A大学にも「昔は凄かった大学」が多く見られるが、今はいい感じの大学でも、10年後20年後の未来ではどうなっているか分からない。会社についても同じことが言えるが、大学も生き残りや地位の維持に必死である。
実績
数字は嘘をつかないけど・・・
女子大は総じて伝統的に就職活動へのサポートがしっかりしていると評判であり、当大学群も「GMARCH」「関関同立」に匹敵する水準の大手企業就職率を叩き出しており、偏差値の割には就職の良い、つまりコスパの良い大学群として知られている。有名企業400社への実就職率は以下の通り。
大学 | 実就職率 |
津田塾大学 | 25.8% |
東京女子大学 | 23.8% |
日本女子大学 | 20.7% |
【以下、参考】 | |
「GMARCH」平均 | 24.3% |
「関関同立」平均 | 24.3% |
津田塾大学は「GMARCH」「関関同立」平均を上回る実績を見せており、女子大御三家すべてが両大学群の域内に入っている。これだけ見るとB級クラスの就職力を持つように見える。
・・・分かりますよね
ただし注意点としては、女子大は共学の大学に比べると総合職以外での就職が多い。コース別の就職実績を明確に明かしている大学は限られているが、詳細に公開している東京女子大学や日本女子大学の総合職比率は約半数前後となる(就職先がコース分けしていない場合を除く)。多くの場合、総合職とそれ以外のコースでは、給与水準や伸び率が大きく違ってくるので十分注意が必要となる。
一見「総合職」と言ってもその中には「エリア限定総合職(地域総合職)」が含まれるケースもある(東京女子大学・日本女子大学の場合はそれを「準総合職」として区別しているようだ)。平均年収ランキングの上位にも、就職が良いはずの女子大の面々があまり出てこないところを見ると・・・やはり、そういうことである可能性は高いと思われる。
また、どことは言わないが、OL等のイメージにあるような事務系に比べると負担が大きめの業界・職種への就職も少なくない。
どのような人生・キャリアを歩むかはあくまで個人の自由であり、一般職として総合職の男性をつかまえる道もあるだろう。そもそも大手企業の一般職は、男性総合職社員の花嫁候補として期待されているフシもある。だが、バリキャリとして男に頼らずガツガツやっていくつもりなら、「女子大だから有利だ」という単純な構図とは限らない点は頭にいれておいた方がいい。
もっとも、平均年収等の実績を見る限りではどうやら「GMARCH」や「関関同立」も総合職以外への就職は少なくなさそうだが。。。
共学との違い
とはいえ、共学のように引っ張ってくれる男子学生がおらず、周りは女子だけなので、リーダーシップを身に付け自立した社会人になりたい場合、女子大の方がより鍛えられる環境にある。
津田塾大学のOGに女性官僚が多いのは有名な話であり、日本女子大学は女性社長を多く輩出している(親御さんから事業を継ぐことがよくある)。
関西版
当大学群はすべて東京の女子大であるが、関西にも女子大御三家が存在する。それが、京都女子大学・同志社女子大学・神戸女学院大学の3校である。
特に神戸女学院大学は真のお嬢様大学であり、西の貴族達が集まる。間違えられやすいが、似た名前の神戸女子大学は庶民派の女子大。同県の庶民派かつ意識高めの女子大として、武庫川女子大学も関西では有名。
関西の女子大御三家の中では、同志社女子大学も「お嬢様」のイメージが強いが、神戸女学院大学よりはまだ緩やか。京都女子大学は「お嬢様」ではないが真面目で清楚なイメージであり、昔から「京女(きょうじょ)」の愛称で関西はもちろん周辺県においても親しまれてきた。
余談
お金持ちの家に生まれついた女子達が通うお嬢様大学について、ごくたまに近所のS級大学やA級大学のサークルに参加してくる女子も見掛けるが、真のお嬢様の場合、たいてい彼女達は庶民の大学生との交わりをさほど多くは持たない。
合コン等での彼女達の狙いは、既に一流企業等で活躍しているエリート社会人であり、「大学生です」という時点で彼女達の眼中からは外れてしまうのである。この現代においても学力や偏差値だけでは到底破れない壁が存在している。