産近甲龍

大学群

構成大学

・京都業大学
畿大学
南大学
谷大学

レベル帯

D級上位D級中

概要

関西の有名な中堅私立4大学で構成される大学群であり、位置付けとしては「関関同立」の次に来る。東京の日東駒専は、同じ私立大学であること・入試難易度・就職実績等、様々な共通点が見られるため、よく比較対象・対の関係として挙げられる。

国公立大学のウケが良い関西地方においては(首都圏以外どこもそうなのかもしれないが)、C級大学に代表される一般的な国公立大学の方が優先して選ばれる傾向にあり、当大学群はどんなコミュニティにおいても堂々と「高学歴」「エリート」と誇れるようなイメージには、残念ながらもう一歩というところではある。

しかし、当大学群内には現在我が国で最も勢いのある大学や、関西の産業界で伝統的に力をもつ大学など、なかなか味のあるメンバーが揃う。

各種実績

有名企業400社実就職率

大学 実就職率
近畿大学 9.9%
甲南大学 9.9%
京都産業大学 8.9%
龍谷大学 8.3%

ぐぬぬ

上位2校は殆ど10%と言っても構わないくらいだが、すべての大学で1割を下回っている。甲南大学が15%近く伸びた年もあったので年度にもよるが、当大学群から大手企業に入れるのはだいたい10人に1人くらいというのが目安となる。

関西も都市部と言える拓けたエリアなので、東京ほどではないにしろ大手企業が集まり就職活動はしやすい方であるが、そのような土地に拠点が所在するというアドバンテージを有しながら地方国公立大学と同等以下の水準になってしまっては、当サイトにおける学歴ランクとしてはD級大学のレベルに該当する。

よく見てみると

ただ、同じD級大学である「日東駒専」より軒並み良い数値が出ていることにも気づく(僅差だけど)。東京と関西での都市力の差もかなり大きいので、その点では「産近甲龍」は健闘しているとも言えるだろう。就職先としては「日東駒専」と同様の傾向が見られるが、関西地銀にも多く就職している。

ちなみに、上表は2020年版の実績であり、既に2021年版もリリースされたのだが、過去に当サイトで紹介した大学群との実績(20年版)と合わせたかったのと、21年版はコロナの影響をモロに受けて採用人数が絞られたので、当大学群に限らず軒並み数値が悪化していたイレギュラーな年だったこともあり、敢えて20年版を掲載している。

公務員試験実績(2018年度)

大学 就職率
龍谷大学 7.1%
京都産業大学 5.6%
近畿大学 5.3%
甲南大学 4.6%

これも「日東駒専」と同程度の数値である(公務員ではほんのわずかに「産近甲龍」が劣勢か)。大手企業への就職率は似たような感じでも、地方国公立大学のお家芸である公務員試験ではとてもかなわない結果に終わっている。

都会の私立大学は民間志向が強いのか、難関大学でさえもなかなか1割は越えない。なお、当大学群における合格者の内訳としては8~9割がたは地方公務員である。

上場企業役員数(出世力)

大学 役員数
近畿大学 142人
京都産業大学 98人
甲南大学 94人
龍谷大学 53人

こちらは上場企業の役員数ランキングである。上場企業と一口に言ってもピンキリであり、東証一部・二部のみならずマザーズ・JASDAQなども含むと4,000社近くに及ぶので、大手企業はほんの一部に過ぎず、実際はほとんどが中堅クラスの企業である。

それくらいの規模の会社であれば、当大学群出身者も経営者にまでのし上がれるチャンスが十分あることが示されている。それでも、上場企業のようなマトモな会社で役員にまで出世するのは並大抵の努力では難しいことに間違いはないが。

特筆すべきは甲南大学。この大学は当大学群内では最も学生数が少なく、近畿大学の1/4程度しかいない。したがって、役員輩出としては突出していると言える(後述)。

上位校

近畿大学

当大学群も内部格差はさほど激しい方ではないが、全国の私立大学の中でも最多の志願者が集った近畿大学が頭一つ抜けている感はある。

2002年にクロマグロの完全養殖に成功し、その後、大阪駅直近のグランフロント大阪にて養殖魚の専門料理店を出店するなどで一躍認知度が上がったことから、急激にその人気を伸ばしてきた。「近大マグロ」以外にも、同大出身の某有名アーティストが入学式を演出したり、ド派手かつ大胆な広告(首都圏においてもなかなかお目にかかれないレベル)を駆使した発信力が卓越している。

ちなみに、「早慶近」という大学群をたまに目にするが、これは近畿大学が新聞広告において自分で打ち出したものである(一応、“THE世界大学ランキング”を根拠としたようだ)。

受験生目線でいうと、キツ過ぎない難易度も人気がある理由の一つではありそうだが・・・。

VS  関西大学

もはや僅差なのか?

そんな近畿大学については、近年の人気と勢いから「関関同立」の先鋒である「関西大学に追いつくのではないか」という声が何年も前から上がっているが、実際どうなのだろうか?近畿大学はもう既に関西大学の背中に手が届きそうな状態なのだろうか?

入試難易度の差

某大手予備校の偏差値でいうと、条件にもよるのだが各大学のボリュームゾーンは関西大学は57.5近畿大学は52.5と、5.0ポイント分の差がある。

これをどう捉えるかだが、私大志望者の中で見ると関西大学は上位25%近畿大学は上位40%ということになるので、近畿大学 ⇒ 関西大学へステップアップしようとするなら私大志望者全体を100人とすると約15人を抜き去らねばならない程の努力が求められることになる。絶望的な差とまでは言えず頑張ればなんとか達成は出来そうだが、かと言って、これは決して小さな差ではないだろう。

出口での実績

また、有名企業400社実就職率では、関西大学が約20%、近畿大学が約10%となり、単純に2倍の開きがあるのでこれも僅差とは言い難い。

したがって、当サイトにおける学歴ランク的には、B級下位D級上位では一見離れすぎ感があるかもしれないが、まだまだこれくらいの差はあるということだ。厳密に言うと関大と関学・立命館の間に1ランク差を設けるならC級上位が妥当かもだけどちょっと関大に忖度してるところはあります(笑)

産甲龍

近畿大学以外の3大学は同じD級中位大学にランクされている。いずれも総合大学だが、それぞれ個性的な魅力を備えている。

京都産業大学

古都、京都の中でも最古と言われる上賀茂神社の程近くに、甲子園球場16個分もの広大なキャンパスを構える。そこに全学部が一堂に会し、学生は幅広い学問・教養を横断的に身に付けやすい(全学共通教育)。中でもキャリア形成支援教育は4年間かけたプログラムという力の入れ様。

入試難易度的には当大学群の中では最も入りやすいと言われるが、ここを併願していたC級クラスの国公立大学合格者も普通に落ちることがある。

龍谷大学

仏教系の大学ということで「日東駒専」の駒沢大学と同じニオイがするものの、実際のところ特に協定などの友好関係は見当たらない・・・宗派も違うしねえ(龍谷大学は浄土真宗、駒沢大学は曹洞宗)。

近畿大学の人気が上がる前は、この龍谷大学が当大学群の中でも上位の位置付けであったように記憶している。また、伝統的に公務員試験に強く、関西私大としてはトップクラスの合格率。

甲南大学

お坊ちゃん大学のイメージが強いが、上流階級のご子息・ご令嬢が多数入学していた時代の名残であり、現代では一般的な学生が殆んど。だが、このような背景から、先述のとおり関西財界では独特の存在感を放ち続けている。

スゴいのは、日本大学とは対照的に、数が少ないのに学閥の力があること。少人数教育は戦前からの伝統であり、一人一人の学生がしっかりと教育され、大学としてのイメージが良い。関西の大手企業でもたまに同大出身者を見かけることがあり、侮れない存在だ。ちなみに、甲南女子大学もなかなかのお嬢様大学。

西と東

西の「成成・・・」は?

ここまでやたらと「日東駒専」の名前ばかり出してきたが、数々の共通点が見られるものの、相違点も勿論ある。

関東においては「GMARCH」と「日東駒専」の間に成成明学独國武」「四工大」「女子大御三家というC級大学クラスの私立大学群が入るのだが、関西においてはそれらに該当する私立大学群が存在しないというところは大きな相違点となる。

落差ちょっとデカい(関西人はあまり意識ないけど)

関東の場合、「GMARCH」残念組は先述の大学群におさまるのだが、関西では「関関同立」が全敗だと大抵は「産近甲龍」が受け皿となり、つまりはC級クラスを通り越してD級クラスにまで流れ着いてしまう。先述のとおり筆頭の近畿大学ですら、まだ関西大学とは確たる差が付いていることからも、そう緩やかな落差とは言えないことが分かるだろう。

大学側の目線で見ると、それは上位層を拾いやすいという構図になっているので、大手企業への就職力で僅かながら「日東駒専」を上回っているのは、そのような事情が関係している可能性もある。

※  とは言ったものの、上記はただの推測なので実際のところは分からないです。首都圏はやはり人がウヨウヨいるので、C級クラスの私大があっても、本当に受け皿として足りているのかは微妙なところかもしれません

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