摂神追桃

大学群

構成大学

南大学
戸学院大学
手門学院大学
山学院大学

レベル帯

E級

概要

関西の中堅私大で構成された大学群である。関東における「大東亜帝国」とは対の関係にあり、地元ではD級大学である「産近甲龍」「外外経工佛」に続くグループとして認識されている。

所在地としては大阪府に偏っており、3大学が大阪市周辺のエリアにキャンパスを構える。もう1大学は、その名の通り兵庫県神戸市に位置している。

この大学群名の語源・発祥については不明。当記事リリース時から約20年前に遡る、2000年代前半の時代には遅くとも存在していたグループではあるが、勿論もっと前から提唱されていた可能性が高い。そのとき既に、現在と同じランク帯にて立ち位置が確立されていたように記憶しており、知名度も決して低くはない(“外外経工佛”よりは有名だろう)。

実績

有名企業400社実就職率ランキング

大学 22卒 21卒 20卒
摂南大学 3.6% 3.6% 5.8%
追手門学院大学 3.7% 圏外 圏外
神戸学院大学 圏外 圏外 圏外
桃山学院大学 圏外 圏外 圏外

・・・・・。

摂南大学は直近3か年ではいずれも何とか200位以内にランクインを果たしているが、残りは追手門学院大学の22年卒を除いて全滅である。20卒については200位圏外ではあるが桃山学院大学3.2%を記録していることが判明している。

大手企業への就職者がいずれの大学もほぼ例年20人に1人もいないという状況では、各県TOPの公立進学校から東大へ合格するくらい突出した存在にならねば栄冠を掴めないという計算になる(学力層が違うので、たとえが分かりにくいかな・・・)。

公務員就職率(18年卒)

大学 就職率
神戸学院大学 4.3%
摂南大学 3.8%
追手門学院大学 圏外
桃山学院大学 圏外

こちらも苦戦気味か

こちらは神戸学院大学がトップとなり、同学は兵庫県警への就職者が多いのだが、同学から現在の国家総合職試験に該当する国家公務員一種試験に合格した人がワシの知り合いの知り合いにいる(“採用”とは言ってないよ)

摂南大学も安定の200以内ランクインとはなったが、これも割合としては決して高い数字という印象は受けないだろう。

大学紹介

摂南大学

最初は工業大学だった

文理揃った総合大学である。戦前に建築・土木を中心として設立された関西工業専修学校を前身として、大学設立時は工学部(土木・建築・電気・機械・経営工学)からスタートし、元より総合大学を目指していたので学部・大学院が増設されていった。当大学群で最も就職に強い背景がなんとなく見えてきただろう。

実は大阪工業大学広島国際大学とは関わりがあり、常翔学園という経営母体を共にしている。近年、大阪工業大学には「梅田キャンパス」という立派な都市型キャンパスが建てられたのだが、その建設費に摂南大学文系学部の学生から得た学費が資金源になったのでは、という笑えるような笑えないようなウワサもある(ここに限らずのことだとは思うが・・・あと、同じ大学内でも学部間での不公平はあるだろう)。

就職先

業界としての進路は卸売業や小売業で3〜4割を占めている。大手企業への就職者も見られるものの、人気業界への入社はなかなか厳しい実情にあるようだ。

とはいえ、従業員数501人以上のそれなりの規模である企業には半数以上就職しており、「大手」と呼ぶには物足りないが努力次第では出世して年収1,000万円を超える水準の豊かさを得られる可能性ある職場には就くことが出来ている。また、個人的は大手企業の子会社で同学出身者をよく見かけたことがある。

立地など

キャンパスは大阪府の寝屋川市枚方市にそれぞれ位置しており、「おけいはん」や私鉄としては快適な特急電車で有名な京阪電車の沿線となる。阪急沿線ほどの上流さはないものの、利便性・治安ともに悪くはない(一部例外はあります)。

「大東亜帝国」の東海大学的な位置づけであり、当大学群のエースと言えるだろう。

なお、当大学群の中では唯一、「学院」が大学名の中に付いていない。

神戸学院大学

海と山の大学

メインキャンパスは、神戸市にて埋め立てられた人工島の一つであるポートアイランドの西側(海沿い)に建っている。観光クルーズ船から島を眺めると、ついつい「何かの観光地か?」と思ってしまうくらいの美しいキャンパスが魅力。

だが、神戸の街中から同キャンパスへと行き着くためには、人工島へと繋がる神戸大橋を渡らねばならない。徒歩でも一応渡れるのだが、距離的・時間的に厳しいのでシャトルバスやポートライナー(新交通)を使うことになる。チャリンコも可だが大学側は推奨していないはず。ワシもあまりオススメはしない。

そしてポートアイランドはぶっちゃけ日常生活における利便性は乏しいので(ワールド記念ホール、ポートピアホテル、IKEA、どうぶつ王国とか色々あるっちゃあるけど・・・)、遠方から来た学生たちはどこに下宿する人が多いのだろうか?アクセスを取ってポーアイに住むか、利便性を取って内地に住むか・・・。

ポーアイの真髄とは

しかし、ポートアイランドは産官学医連携により医療関連の施設が集積する「神戸医療産業都市」の舞台となっており、それらを構成する機関との学術・人的交流によりあらゆる知見を享受できるのが、同学の看板学部たる薬学部である。

同学は元々栄養学部からスタートしているのだが、医学者であった大学創設者の悲願のもとに薬学部が設置された(残念ながら彼の死後だったようだが)。医学部程ではないにしろ薬学部も設置のためには莫大な資金が必要なので、それをかき集めるのに相当苦労したそうだが、今のキャンパスの風貌を見ていると、そんな時代があったなんて俄には信じがたい(笑)。

また、世界に誇るスーパーコンピューター「富岳」もこのポートアイランドに設置されており(先代の“京”から)、あまりイメージはないが同市の西区とあわせて学術・研究都市として機能を発揮している。

ほぼ明石市だけど

その神戸市西区には、神戸市外国語大学・兵庫県立大学など様々な大学が集積しているのだが、神戸学院大学のもう一つのキャンパスも同区内にある。

かつてはここがメインキャンパスであり現在も5つの学部が残るのだが、バスでしか移動手段がなくアクセスは正直なところ結構大変である。この山(ていうより丘か)のキャンパスと、海のキャンパスを繋ぐシャトルバスもあるそうだが・・・。

意外なOBも

河合塾偏差値では30台後半の試験方式もいくつか見受けられ、今のところ当大学群の入試難易度としては最も易しいようだ。

有名な卒業生の中には、武井壮さんがいる(法学部ご卒業)。

追手門学院大学

どこ?

キャンパスが2箇所あるが、いずれも大阪府茨木市に位置する。特に、2019年に東芝の工事跡地に建てられた茨木総持寺キャンパスは、なんかスゴい(ワシの力量ではうまい表現が思いつかない)。

この辺りは「北摂」と呼ばれ府内でも比較的イメージの良いエリアとなる。アクセス面では、いずれのキャンパスも最寄り駅からバスが出ているのだが、JR茨木駅や阪急茨木市駅には快速や特急が停まるため、利便性は悪くないはずだ(総持寺キャンパスに向かうバスは阪急茨木市駅からのみだが、JR総持寺駅から歩く手もある)。

混同されがちだが、兵庫県の「大手前大学」ではない。ただ、追手門学院大学も前身では「大手前学園」だったこともある。

学部構成

文系大学であり、2023年には法学部が設置される予定、その他文系7学部を構えているが、中でも看板であり最難関と呼ばれるのが心理学部である。

大学院も設置されており臨床心理士の道へ進む学生も多く、近年登場した心理学系の国家資格である公認心理師の取得にも力を入れている(いずれの資格も、殆どの人が大学院を卒業しないと受験資格すら得られないため、取得が結構大変)。

ただ、人文系の学部が主力である故か、就職実績は摂南大学に比べるとどうしても遅れをとるところはあり、公務員試験の実績を見てみても、事務職(県庁とか市役所)としての就職はレアのようだ。

また、河合塾の最新偏差値では一つだけだがBF(ボーダーフリー)の試験方式が出てしまった。

桃山学院大学

どこ?

大阪府の北摂に該当する吹田市には、桃山台という街がある。北大阪急行電鉄の駅が設けられ、高速バスの停留所もあり静かでファミリー向けの住環境が評判のエリアだが、桃山学院大学の所在地はココではない。つい最近まで完全に勘違いしていた・・・ワシだけ(笑)?

同学は大阪市の南方に位置する和泉市にキャンパスを構えており、北摂とはまた雰囲気が違ったエリアである(その辺のショッピングセンターの駐車場に車を停めたとき、周りの車は当然ながら全部”和泉ナンバー”であり、まるで”族”に取り囲まれているかのようなスリルを味わった ← 失礼)

だんじり大学ではない

しかし、その土地柄の印象とは異なるミッション系の大学であり、外国人宣教師たちによる大阪市西区での居留地を拠点とした伝道活動をきっかけとし設立された男子校・神学校が前身となる。

それらの学校がやがて天王寺に移り、そこがかつて「桃山」と呼ばれていたことから「桃山学院」と改称された。ここまでが19世紀末までの話であり長い歴史であることが分かる。

20世紀に入ってからは、大正時代に阿倍野区へと移転、戦後10年以上が経過した後に桃山学院大学として開学を迎えることになり、1995年に和泉市へとキャンパス移転となる。

愛称は・・・

「桃」の呼び方から、「ピン大」と地元では呼ばれることがあるそうだ(ナマで聞いたこと一度もないけどな~ 笑)。

ここも文系大学である故か、有名企業400社実就職率ランキングではなかなか大学名を見かけることはないが、キーエンスへの就職者などの成功者は稀にいる。

ちなみに付属である桃山学院高等学校は、S級大学に数人、A級大学に20人以上の合格者を輩出する、まずまずの進学校である。

関東 VS 関西

番付

相撲ではないのだが、私立大学の大学群としては東西で以下のような対応関係にある。

西
関関同立 GMARCH
産近甲龍 日東駒専
摂神追桃 大東亜帝国

大学群としての序列は東西ともに明確であり、「成成明学獨國武」に対応する大学群は関西では見当たらないものの、メジャーなグループ同士ではペアとなる相手がそれぞれおり、就職実績としてもお互いよく似た結果となっている。

東=西?

だが、学力レベルとしては少々のズレも見受けられ、東の私立大学は定員厳格化の影響をモロに受けたこともあり、GMARCH」>「関関同立日東駒専」>「産近甲龍」「大東亜帝国」>「摂神追桃」という関係性にある。

E級大学の東西対決においても、東の「大東亜帝国」では偏差値50を越えた入試方式も現れたのに対し、西の「摂神追桃」はそれより一段落ちるどころか偏差値30台、下手すればBFまである。

しかも、いずれの大学も6割を越える推薦率の影響による一般入試の偏差値上昇があってもなお「大東亜帝国」に遅れを取る状況では、確実に学力的には東西で明暗が分かれていることになるだろう。

同じE級とは言っても、この違いを加味すると上位・中位・下位に分けても良さそうだが、全大学生の中で半数のラインを下回るような段階にまでいくと、文系か理系かでちょっとした違いがあるのみで、学歴的な差異としては、もはやないようなものである。

関西私大ランキング

いつもの学歴ランキングとはアルファベットは対応しておりません

ランク 大学
S 級 同志社
A+級 立命館 関西学院
A 級 関西
B+級 近畿
B 級 甲南 京都産業 龍谷
C+級 関西外国語 大阪工業
C 級 京都外国語 大阪経済 佛教
D+級 摂南
D 級 神戸学院 追手門学院 桃山学院
E 級 天王寺・・・とか
F 級 いっぱい

これは覆らないのか?

先述の通り、関西私大の大学群は入試難易度的にも就職活動時の扱いの面でも序列化されており「関関同立」⇒「産近甲龍」⇒「摂神追桃」という順で定着している(厳密には“外外経工佛”が“産近甲龍”のチョイ下にいるが)。

「関関同立」と「産近甲龍」の間には当サイトではB級とD級というかなり大きな隔たりがあるようにも見えるが、近年、関西大学と近畿大学の差が縮まってきていることもあり(まだ差は小さくないとは思っているが1年ごとに着実に迫ってきている)、さらには「関関同立」の他の構成員も偏差値を急落させていることから、未来永劫、盤石な地位が保障されているのかと問われると、そこまでとも言えない。

確かに長らく定着した大学群の序列は容易に崩れるものではないが、今の時点では昔の大学OB達の政治力により安定した就職力・出世力を見せていても、後に続く世代の力が弱まった状態を打破できなければ、世代が入れ替わった時にもなれば出口評価としても崩れてしまう時がやがて訪れることだろう・・・。

“+”ってなに?

関西私立S級〜A級

関西トップの大学群でも生き残りに喘ぐ中、絶対的地位を築き上げているのは、やはり同志社大学だと言える。学力レベル、就職実績ともに「関関同立」はおろか、「GMARCH」を含めてもトップを走る大学だ。

同志社大学は「関関同立」の枠すらも飛び越えた存在として“S”としたが、それに続く立命館大学・関西学院大学“A+”、ビリの関西大学は無印の“A”となった。

関西私立B級

同ランク内でも“+”のついた近畿大学が「産近甲龍」では頭一つ抜け出していることは言うまでもない。甲南大学は無印の“B”とはしたが、伝統的に結束力が強く就職力・出世力もあるので、どちらかと言うと“B+”寄りとなる。

また、京都産業大学も22年卒の就職実績では甲南大学のみならず、「日東駒専」の日本大学・東洋大学にも肉薄する健闘ぶりを見せている。龍谷大学も専修大学・駒沢大学を凌駕しており、「産近甲龍」は今なかなか元気がありそうな大学群だ。

関西私立C級

「外外経工佛」からは関西外国語大学・大阪工業大学に“+”を付けており、関西外国語大学は推薦入学も多いのだが、就職の強さ・人気の高さがある。

関西私立D級

そして主役の「摂神追桃」ではエースの摂南大学“D+”となっており、ここが同大学群内で頭一つ抜けているのか・・・と言われると正直微妙な部分もあるのは確かだ。

だが、理系の就職力はそれなりにあり、参考としてリリースした理系の学歴ランキングでもE級を飛び出して、D級下位にランクさせて頂いたことからも、ここでも”+”評価となった。

関西私立E級〜F級

関西にはこれより先にも多くの大学が存在しており、「摂神追桃」は中間地点(の僅かに下)に過ぎない。

さりげなくE級大学の中に、小学校教諭の輩出実績で地元ではちょびっと有名な天王寺大学を追加させて頂いたのだが、似たような性質の大学が他にも幾つかあるようだ。民間企業への就職実績はともかくとして、各方面で実績を残しており「Fランク大学」扱いでは失礼な大学もまだまだあるはずだ(畿央大学とか大和大学とかどうなんだろ・・・)。


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