STARS

大学群

構成

・佐賀大学(S)
・鳥取大学(T)
・秋田大学(A)
・琉球大学(R)
・島根大学(S)

レベル帯

C級下位D級上位

概要

下位国立大学

国立大学の中では比較的入りやすい難易度の大学で構成されている。当サイトではD級大学としてランクしており、失礼ながら下位国立大学という部類に入・・・っていたが、このような入口(入試難易度)だけではなく、出口(就職実績など)としてはC級下位クラスにも劣らない実力を見せている場合もあり、23年4月のランク更新時に格上げをした大学もある(のちの大学紹介参照)。

難易度が比較的易しい要因の一つとして、すべての大学が首都圏をはじめとした大都市圏から離れていることが挙げられるだろう。ただし誤解されがちだが、だからと言って決して超ド田舎にあるわけではない。

立地

那覇市は中核市の中では断トツに拓けており(琉球大学は正確に言うと那覇の隣町にあるが)、秋田市も中核市としては平均レベルにある。

佐賀大学・島根大学・鳥取大学も県庁所在地に位置しており、それぞれ県庁所在地としては下位ではあるが、20万人前後の人口を擁する(佐賀駅・松江駅・鳥取駅は古くから高架駅であり先進的だった面もあるぞ)。

いずれも車は持っていた方が便利だが普段の生活で困ることはないはずであり、限界集落のような暮らしを強いられるわけではないので過度な心配は無用。むしろ、どことは言わないが、大都市圏のはずれにある大学の方が余程つまらない生活になる可能性すらある(笑)。

個性が光る

大学の学部数としてはさほど多岐に渡る方ではないが、美術・工芸・地域創成等を学べる佐賀大学の「芸術地域デザイン学部」、観光マネジメント・地域文化等を学べる琉球大学の「国際地域創造学部」、資源学を学べる秋田大学の「国際資源学部」(日本で唯一)といった特色的な学部・学科の存在がウリであり、新たな分野の開拓・独自性の向上に努力していることが分かる。

入試難易度

国立は甘くない

偏差値はベネッセで50台前半、河合塾で40台後半あたり。大学入学共通テストのボーダー得点率は60%台くらいとなる。共通テストで7割を切るようでは、高校の勉強における基礎を習得しているとは言えないイメージがあるかもしれないが、国立大学生である彼らは数多くの科目をこなしてきたということを忘れてはならない。

科目数1つ違うだけで必要となる負荷や勉強時間は大きく変わり、生半可な私立大学とは比較にならない程の努力で、幅広い知識・知恵を身に着けてきた。それらは今後、様々な仕事をこなし組織の中で人の上に立つために不可欠な素養となる。「下位」とは言えど、舐めてかかると痛い目見させられるのが国立大学。

地元の秀才達ですら苦労する

各県トップクラスの公立進学校においては「中の下」くらいの位置にいる生徒なら合格圏内。これを逆に言うと、地方の名門校ですら下位層にいては厳しいということである。

そのレベルの高校にいると「中間層に食い込めれば、国立大学どこかは入れる」とよく言われる。この「どこかは」というのがミソであり、日本中どこでも飛び回る覚悟でいないといけないということを意味する。

あくまで、C級以上の国立大学と比較して入りやすいという話であり、誰しもが簡単に越えられるようなハードルではない。

社会的評価

有名企業400社 実就職率

大学 有名企業
400社
実就職率
鳥取大学 8.8%
佐賀大学 6.5%
秋田大学 5.9%
琉球大学 データなし
島根大学

有名企業400社への就職率としては、1割を越えている大学は残念ながらなく、同じD級大学の有名私立大学群「日東駒専」「産近甲龍」と同じか、それ以下の水準となる。

ここまで東京から離れていれば当然の結果とも言えるが、その一方で、C級以上の国立大学に比べると学歴フィルターに引っ掛けられてしまう可能性も考えなければならない。D級国公立大学でも、「日東駒専」「産近甲龍」といった同クラスの私立大学よりは学歴フィルターに掛けられてしまう恐れは低いのだが、いくら「国立大学ブランド」があると言っても、限界がこの辺りから見え始めてくるのかもしれない。

とはいえ、STARSから大手総合商社へ就職した実績もあり(一般職かもしれないが)、企業によって設定はバラバラのようだ。ということで、最初から大手を諦めることはないが、学歴的に有利にはならないこと、なにより、立地面で苦労することは頭に入れておかねばならない。

新型コロナウイルスの影響でWEB面接が普及してきたことをきっかけに、遠方からの就職活動も進み、今後は地方=不利という形勢に変化が訪れることを祈る(まぁ、おそらく影響は限定的だと考えているが・・・)。

また、公務員就職者・医療系学部の学生を分母から除いた「有名企業400社実就職率ランキング」の補正については下記コラムをご参照頂ければ幸甚である。

公務員就職率

大学 公務員就職率
島根大学 27.6%
秋田大学 20.5%
鳥取大学 18.5%
佐賀大学 15.8%
琉球大学 11.7%

公務員への就職率はやはり高く、特に島根大学は教育大学を除いた中では全国でもトップクラスの水準にあると言っていいだろう。ただし、「金岡千広」「5S」「5山」に比べると大学群全体としての数値は少々下がっているという印象である。

ちなみに、公務員就職者に占める国家公務員・地方公務員の内訳を見てみると、琉球大学は他の構成大学に比べて国家公務員の比率が高めである。2018年のデータしかないが、他の大学では国家公務員は1割程度しかいないのだが、琉球大学の場合は3割を越えている(これは何故だ?米軍関係??)。

ともあれ、地元で公務員になる学生は多く、地元の有名企業にも多数内定しているところを見ると、やはり地元エリアにおける「STARS」の評価は高いようだ。

大学紹介

(S)佐賀大学

7学部を抱えており、文系が3学部、理系も3学部、どっちか分からんのが1学部ということで、文系理系のバランスが取れた総合大学である。

学生は九州の出身者が大部分であり、一番多いのは佐賀県ではなく福岡県。福岡は佐賀からほど近く、九州大学より目指しやすいことから福岡の受験生にも一定の人気があるようだ。

佐賀大学の学生が就職していく土地も佐賀か福岡であり、東京は少ない。福岡の存在感が九州内では勿論のこと全国的にも高まっており、その求心力の高さが見て取れる。

大学HPには新入生のTOEICスコア情報が公開されており、平均点についてはコメントを差し控えるが(クセの強い試験だから最初は仕方ないけど)、最高点はなかなか凄いスコアであり、やはり地元(かどうかは知らんが)の猛者も一定数いるらしい。

(T)鳥取大学

別コラムでも取り上げたことがあるが、関西から多くの学生が押し寄せており地元民を完全に飲み込んでしまうほど(地元の人口が少ないから当然かもだが)。

学部数は多いとはいえないが共同獣医学科を擁した農学部があり、鳥取砂丘をフィールドとした砂防造林や砂丘農業の研究、砂漠化といった乾燥地の諸問題解決を目標として研究に邁進している(鳥取砂丘は砂漠とはちょっと違うのだが)。

当学は公務員試験実績が高く、大手企業就職実績に公務員実績を加えると率が倍にまで跳ね上がる。当サイトでは、学歴が合否判定に直接かかわる要素となり得る民間就職実績の方を出口としては重視しているものの、宇都宮大学同様に素晴らしい公務員試験実績も鑑みて23年4月の期首更新でD級上位からC級下位へと格上げとなった。

基本的には鳥取市内のキャンパスへ通うことになるが。医学部だけは米子キャンパスとなる。ワシは行ったことないが県庁所在地を差し置いてこっちの方が都会らしい。関係ないが、倉吉温泉はとても良かったのでまた行ってみたい(なんの話や)。

(A)秋田大学

入試難易度・偏差値をもとにした入口評価としては、確かに国立下位というのが受験業界上の位置づけであるのかもしれない。

だが出口評価としては決して国立下位なんて認識で片付けられるものではなく、特に国際資源学部は就職に強く、有名企業400社実就職に公務員(教員除く)試験実績も加えると、B級大学の立命館大学にも匹敵するほどの好成績となる。この実績から、鳥取大学と同様に23年4月にD級から脱し、C級下位クラスへと上げさせて頂いた。

その国際資源学部だが、旧くは鉱山学部という学部であり秋田鉱山専門学校の流れを汲む、明治以来続いてきた由緒を持つ学部でもある。

学生の出身県は当然ながら地元の秋田県や東北各県が多いが、25%の学生が関東・中部の出身でありそれなりに他のエリアからの人気もある。

(R)琉球大学

国立大学の中ではかなり入試が易しい部類ではあるが、23年6月時点での河合塾24年度予想偏差値においては他にボーダーフリースレスレの学部を持つ国立大学が出てきたようで、流石にこのレベルには至っていない(科目数など条件の違いはあるかもしれないが)。

林学部という存在がかつてあったと記録されており、もともと各大学の農学部は農学科と林学科の二学科体制が基本だったそうだが、琉球大学については学部扱いであった(おそらくは日本ではここだけ)。

大学設立時には米国の統括下にあり、50年前となる1973年の本土復帰を機に、正式に日本の国立大学となる。

就職先に関しては、理系大学院卒業者ですらなかなか大手企業はみられない。もはや距離的に大都市圏からは遠すぎであり、文化・気質・志向も違い過ぎるのだろう。志ある者が就職出来ないわけではない(はず)。

メインキャンパスは那覇空港から「ゆいレール」で40分の駅・・・からさらにバスに乗って行く必要がある(←国際通りの牧志駅から先に行ったことない奴が言ってる)

(S)島根大学

ここも山陰地方の大学。お隣の鳥取大学とは違い7学部もあるので総合大学感が強い。

就職実績は鳥取大学に比べると苦戦気味に見え、有名企業400社実就職率ランキングではランクインしていない。文系では特に公務員志向が強いようで、教育学部は勿論のこと法文学部でも教員の道に進む人が多くみられる。

とはいえ、総合理工学部だけはやはり就職先に大手企業の登場率が際立って多くなり、他の学部とは一線を画している。総合理工学部の前身は実は理学部と農学部であり、元々純粋な工学部ではないので比較的理学色が強いと見受けられるが、今では機電系・建築系の学科も設置されている。

当学も医学部だけキャンパスが離れており、他学部は松江市であるのに対し、医学部は出雲キャンパス。

北北秋琉室

マイナーではあるが、STRASと似たような大学群として最近たまに目にする。秋田大学と琉球大学は重複しているが、その他は北海道教育大学・北見工業大学・室蘭工業大学の3校となり、南北のD級大学で構成されている。

細かいが、レベル帯としてはSTARSよりさらに入りやすい印象があり(ボリュームゾーンはD級中位)、国立大学としては一番易しい部類と言える。

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