大学入学共通テスト 終わったらどうする

コラム

ごくろうさまです

皆様ひとまずはお疲れ様でした。今日はゆっくり休んで下さい(今日だけやで)。

と言ってもこれから、早速解答速報が出揃い、自己採点が実施され、大手予備校による寝ずの作業でデータリサーチが展開され、志望校決めに悩み・・・と心身ともに慌ただしく落ち着かない日々が続くだろう。気の毒ではあるが、ここは是が非でも踏ん張らねばならない。

イヤことばかり思い出すわ

ワシも◯◯年前に同じ道を通ったのだが、浪人を経験しているのでこんなことを2回も強いられた。現役の時は大失敗、浪人の時は及第点くらいの出来だったが、前者の方がショックが大きかったのかずっと大失敗の時の底知れぬ絶望感ばかりが今でもずっと脳裏に焼き付いている。

後にも先にも、人生で最も緊張したのは何を隠そうこの大学入試センター試験(現∶大学入学共通テスト)であり、「大学受験が頂点だったのかこのジジイ」「社会人の方がもっと修羅場沢山あるだろナマポ」と思われて当然だろう。

しかし、大学受験本番は自分の腕一つで勝ち残らねばならない純粋な弱肉強食の世界、今後一生付いて回る自分の最終学歴を決める可能性の高い局面で、まだ親の保護下にいる10代の若者達が夢・人生を賭けた真剣勝負の戦場に駆り出されて、自分だけを頼りに何とか生還しなきゃいけない。そして共通テストから合格発表までの約1ヶ月半にも及ぶ長丁場の本番となる中で先が見えない不安とも戦い続けないといけないのだから、こんなにしんどいことはなかなかない(ちなみに緊張2番目はカミさんの親に結婚申し入れの挨拶に行った時)

判定なんて関係ねえよ

最近の受験生は堅実なのか、B判定以上でないと不安になってしまう人が増えているらしい。ま、合格ラインの代替みたいに扱われるので気持ちはよく分かる。が、学歴ランクのB級とC級はその後の就活において現状では結構違うのだが(一部国公立理系は別)、判定のBとCの違い程クソどうでもいいものはない。

予備校によって多少数値は違うのだが、B判定であれC判定であれ合格率50%前後、つまり「勝負は二次次第」だということに変わりはない。CよりBの方が良いに決まってるのだが、それはあくまで全体の傾向を示しているだけであり、合格可能性が五分以下なのかどうかは貴方に対してピッタリと当て嵌まるものではない。そんなものは二次試験の数学大問ひとつでいとも簡単にひっくり返ってしまう程度の差だ。

昔の話を持ち出すのは老害のやることだ、というのは重々承知の上だが、ワシの頃だとC判定というのは「合格したも同然」というくらいの祝杯モノであった。B判定はもちろんC判定なんて二次出願して当たり前、D判定でも現役なら受ける、E判定は・・・(あ)。A判定とか取れるなら一つランクを上げてもいいくらいだ。

別に、私立行けばいい

国公立にあらずんば・・・

国公立大学では多くの大学で共通テストを全科目で課しており、ここで失敗すれば二次試験での逆転が必要、あるいはこの時点で出願を断念・志望変更せざるを得ないケースもあるだろう。

地方での国公立信仰は根強く、高校入学以来、生徒全員が国公立大学を目指すことを前提に教育・指導をされ、私立大学のことなんか完全スルーである。地方公立高校出身のワシもセンター試験が終わるまでは「MARCH」「関関同立」すらすべての構成大学を言えなかった程だ(今じゃこんなネタサイトを・・・)。このような環境だと自ずと多くの生徒も私立大学の受験・入学には抵抗を持つようになる。

・・・んなこたぁない。

確かに社会でも国公立大学に対して良い印象を持っている人は少なくないが、実際は私立大学を卒業した人達もその地の利やコネクションを活かして活躍している人も多く、地方の進学校でのイメージほど国公立大学信仰が社会で根付いている訳ではない。

理系は私立大学だと学費が違い過ぎる上、比較的易しい国公立大学(最近出来た公立は別かもだが)でも高い評価を受けることから、理系は国公立大学への進学を優先すべきかもしれないが、文系ではB級以上の私立大学なら何も迷うことはない。今はまだ微妙なところかもしれないが、最近の学歴フィルター緩和傾向、深刻な人手不足を考えるとC級でも就活での可能性は今後広がっていくだろう。文系ですら国公立と私立の学費差は倍、そして都会で一人暮らしをする費用は馬鹿にならないという考えも確かにあるが、地方国公立大学の場合は就活時の地方⇔都会の行き来の際に多くの旅費と労力と時間を費やすことになり、最終的な経済面での差は世のイメージほど大きなものにはならない。

学費?生涯収入からすれば誤差

D級の国公立と私立はどちらがいいかという話になると、学歴フィルターの通りやすさを取るか、地の利を取るかという話になり、ぶっちゃけ正直どちらでもいい(文系)。
対面回帰が進んではいるがリモート面接を残している大手企業も少なくはなく、学歴フィルターについても編入・ロンダリングなど、やりようは幾つもある。
学歴の関係ない公務員試験を目指す手もあるし、転職でのキャリアアップなど日本は様々なチャンスに恵まれた国なので、たとえ受験で高学歴になれずに終わったとしても絶望するには早すぎる。

よほど志望大学への思い入れがあるなら話は別だが、国公立大学にこだわるあまり選択肢を自ら狭めてしまうのは不幸である。滑り止めで私立大学を受ける人は多いだろうが、つまらない思い込みやプライドを捨てて私立大学に全振りするのも一考だ(その上で国公立大学も受けるのは止めない)。

「合格る」より「やり切る」方が難しい

こういう場面で真価が問われる

出来た人、出来なかった人、いつも通りだった人、様々だろう。爆死経験のある身からすると、出来なかった人の気持ちは痛いほど分かるつもりだ。

学校の自己採点では、周りの連中は軒並みいつものマーク模試より高い点数を叩き出してウェーイとか騒ぎやがり「お前ら今まで本気じゃなかったのかよ(笑)」なんて嫌な思いをさせられたり、これまで生徒たちに散々夢ばかりを見せてきた担任の先生からはセンター試験後の相談で掌返しで思いっきり現実を突き付けてくるので、絶望感からの無力感・脱力感は半端なものではない。
こんなメンタルでこれから先、まだまだ長丁場になる受験を戦い抜くのは過酷を極め、精神面からも共通テストが出来た人達に比べるとその後の勉強でさらに差が開きすいのも事実だ。

ワシは結局、現役では桜を咲かせることは出来ずに1年遠回りをすることになった。とはいえ、二次試験前にボロボロながらも頑張ったことが浪人時の躍進につながったり、「あの一人でしんどかった頃に比べれば」とその後の人生でここぞという時に踏ん張れる支えになってくれている。

下手に出来ちゃった方が怖い

逆に、一緒に志望校を受験した友人はセンター試験で会心の出来、余裕のA判定で、前期試験・後期試験ともにそこに出願した。

共に二次試験会場の敷地へと足を踏み入れていく際、彼は「嗚呼、今日でやっと受験から解放されるんだ」と満面の笑みを浮かべて雲一つない青空を仰いでいた。
「コイツの中では既に桜が咲いていやがる(笑)・・・いいよなあ〜」とやっかんでいた時に、まさか彼が前期・後期いずれも不合格になるとは考えもしていなかった。

その後、彼は天国から地獄へと叩き落された失意のうちに滑り止めの大学へと入学し、その次の夏あたり、新興宗教にハマって布教活動をしているらしいから気をつけろという報が共通の友人からワシの耳に届けられてきた。

この1ヶ月半で人はデカくなれる

この時期が皆様にとって大事であるのは大学受験・学歴・就活においてだけでは決してない。

どんな判定であれ、どんなメンタルであれ、どんな志望校であれ、そしてどんな結果になるにせよ、目標を定めた後は最後の瞬間まで「やり切れる」かどうかが今後の人生を分けることもある。

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