遅くなりました。
2024年4月1日のタイミングですべてのランキング更新要素を反映できておらず、1か月遅れのタイミングで24年度版が完成となったのだが、色々と検討した大学はあったものの、結果的にはさほど多くの変更点はなく、派手さに欠ける期初更新となった。
今回の結果について、その背景はもうよく分かっている、それどころか「知ってた」「今更か」という方々も多いとは思うが、順に述べていきたい。
上智大学
いきなりだが「派手さはない」とは言ったものの、今回一番ショッキング(?)だったであろう変更はこの大学のランクについてである。
「GMARCH」とは一線を画した存在として「早慶上智」「早慶上理」という括りも定着している中、当サイトにおいても「早慶まであと一歩」「私大の一工」的な位置づけとして唯一の私大B級準Aランクであった。
就職実績もいまだ高水準を保ち続けているのだが(それも実態を深堀してみると・・・どうなるのか実証できないのが残念だが)、近年目立つ推薦入学率の高さと、それに伴う一般入試偏差値の上昇をもってしても早慶の偏差値とは明確に差が見られ、「GMARCH」上位大学との差も縮まりつつある。推薦入学と言ってもハードルの低い指定校推薦ばかりでもなく、英語の外部入試導入が影響している可能性もある。だが、以前からこの傾向をキャッチはしていたが変化が見られる様子もなく、申し訳ないが「早慶」側よりも「GMARCH」側へと移ってもらう結果となった。
私立大学はますます「早慶」の独走態勢が加速している印象もあり、「ひとまず耐え」というイメージもあった「上理ICU」でさえも、「GMARCH」に比べれば現在も格上であることに違いはないが、「早慶」の前にはまた大きな壁が敷かれるようになっている。
余談だが、他にも難関私立で推薦入学率の高さが取り沙汰される大学があるが、最近一般入学率が改善してきたことや立地の改善も発表されたことから、今回は据え置きとなっている。
豊田工業大学
かの「有名企業400社実就職率ランキング」でチャンピオンになんてなってしまったら、当ランキングでも何もしない訳にはいかない。
すべては大学名の通りであり、名古屋大学落ちも来るという少数精鋭でさらには学費も安いという特殊性の強い大学・・・と言いたいところだが、就職先はトヨタ系列だけではなく実は色んな大手メーカーへと人材を送り出している(それもトヨタ「550万人の仲間たち」と言われればそれまでかもしれないが)。
岐阜大学
「5S」と遜色ないレベルと言われて久しい。特に工学部などの理系はもはや「5S」以上ではないかという偏差値だが、その正体は後期定員が多い分、前期定員が縮小されているからである(特に工学部は半分が後期)。
その分、後期と前期の難易度差が小さい傾向にあるのでランク付けは難しいところであったが、ここも名古屋大学落ちを沢山抱えることが出来、学生のレベルとしては層が厚いことや就職実績としても「5S」に負けない強さが見られることから、C級上位クラスへと格上げさせて頂くこととなった。
三重大学にも最近注目が集まっているようだが、出口の実績も考慮して今回はランク的には据え置きとなったが、C級中位筆頭扱いである。
成蹊大学 南山大学
23年10月に更新した文系の学歴ランキングでニオわせてはいたのだが、残念ながらそれを覆す結果には至らなかった。成蹊大学は、準「GMARCH」として、そして三菱とのつながりがある大学としての風格があるのだが、ここ最近元気がない印象。特に就職実績で「GMARCH」との差が開いており、津田塾大学に続き、ここも残念ながらC級中位へと変更となった。
もう一つ、今度はC級中位からC級下位に変更になってしまった大学に南山大学がある。地方の私立大学は厳しい状況にあるとはいえ、かつては「GMARCH」「関関同立」と肩を並べていたほどの名門大学がこんなことになってしまうとは・・・ここも「愛愛名中」のページで必死にフォローしたのに(泣)。
上智大学とは同じカトリック系と言うことで姉妹校なのだが、それ系の風格を醸し出す大学は最近のコテコテの理系優位な風潮には合わないのだろうか。。。
金沢工業大学
D級クラスからは1校格上げとなった。このような名称をしておきながら幾つかあるキャンパスいずれも金沢市には存在しないという大学(野々市は金沢みたいなものかもしれないが・・・)。学生の就職率が非常に高いということで以前から名がそこそこ知られており、就職先の内容としても有名企業400社が15%近くを占め、総合で74位というC級クラスにつけている(当サイトで分母を補正した数値)。
理系、とくに工学系の時代ということで、他にも昇格を検討した工業大学があったのだが、BF(ボーダーフリー)の学部があったため、一旦据え置きとなった。
海上保安大学校
情報提供を頂き、恥ずかしながらはじめて知った省庁大学校の一つ。防衛大学校・防衛医科大学校は防衛省による設置であるが、この海上保安大学校は海上保安庁の設置となる。
ここの卒業後に「三等海上保安正」という階級を与えられ主任航海士としてベテランも含めて部下を束ねながら、海上保安官の幹部を目指すことになる。入試科目は英語と数学(最近まで理科が課されたらしい)。面接試験や体力試験もあるので試験総合的な難易度は何とも言えない・・・一旦、標準国立大学としてのランクとしたが、ぶっちゃけよく分かっていない(笑)。
その他
23年10月更新の文理別ランキング更新時に新しく登場した大学は、こちらのランキングにも追加している。
変わらないものと変わりゆくもの
繰り返しになりますが
当サイトはお陰様で多くの
監督・コーチ・トレーナー様達に恵まれ、あったか~いご指導のもとランキングに改良を重ねてきた。当初に比べると大きくランクが変動した大学もあるのだが、今ではさほど毎回大きな変更を加えることもなくなってきた。
基準としては一貫して入試難易度と大手企業就職実績の両軸である。学歴フィルターが緩くなってきている今、学歴の価値とは何かを捉えなおす岐路に立っているのかもしれないが、依然として学歴が人生でその効力を最も発揮するのは新卒の民間企業就活での局面であり、公務員試験・資格試験においてはあくまで純粋な学力が問われ、大学名によって試験制度上の恩恵が得られる訳ではない。
学歴フィルターによる門前払いを受ける心配はないという観点では、難関私立も殆どの国立大学も同様(時と場合と企業による)だが、国立大学の場合は地方故の距離的制約とOBの少なさによる各大手企業での政治力・影響力の弱さがネックとなる(逆に地元企業に限っては有利だが)。そのため、すべての国立大学を難関有名私立大学水準であるB級以上とはしておらず、「GMARCH」「関関同立」といった難関有名私立大学と同等レベル以上のラインを引いて、B級・C級以下に分けている。
また、国立大学と言えば総じて研究実績が高く、むしろ研究こそ大学の本分であるのだが、それはあくまで教授・准教授・講師・助教・助手といった教員による実績(院生による実験なども貢献はしているだろうがあくまでメインは教員)であり、学生の学力・就職実績という意味の「学歴」とは全く異なる概念である。
愛しのC級大学
その中で、C級大学は当サイトの中でも最もランク解説ページでのアクセス数が多く、現にワシもこのC級と、そしてB級が当サイトの中では「主役級的ランク」であると勝手に位置づけている。C級というのはとりわけ国立・私立、文系・理系それぞれの組み合わせでまったく見方が異なり、例えばC級国立理系がB級私立理系を上回る点もあったりと、玉虫色な存在として学歴的には大変興味深い立ち位置にいる。
私立大学は「GMARCH」「関関同立」以上で線引きされているという意識が強い中、B級(マーカン)とD級(ニッコマサンキン)の間に位置するC級というのは、私立だと元から非常に層が絞られている特殊なランクなのであり、関西私大の世界だと一部例外を除き「関関同立」から「産近甲龍」で一気にB級からD級になったりする。
C級の私立大学はどこも、味があって独自の世界観を展開できる大学だからこそ「GMARCH」に及ばずながらも「日東駒専」とは一味違うという立ち位置を築けたものと感じるが、最近は彼らにも元気がない。
「四工大」を除いて「C級私立大学のD級化」が進みつつある今、私立大学においてはC級が崩壊しつつあるというのが現状の動きである。当サイトのランク付けの基本的な考え方を変えるつもりは当面ないが、将来的にはこのランク構造を整理するときが来るかもしれない(来ないかもしれない)。
※異動
上智 B級準A⇒B級上位
豊田工業 B級下位⇒B級中位
岐阜 C級中位⇒C級上位
成蹊 C級上位⇒C級中位
南山 C級中位⇒C級下位
金沢工業 D級下位⇒D級中位
※新規追加
海上保安大学校 C級下位
埼玉工業 E級
東京工科 E級