C級大学 – 地方国公立&中堅私大:上位

C級大学 ランク解説

解説

「地方国公立大(下位除く)」+「中堅私立大(上位)」

「5S」を筆頭として、地方の国公立大学に通う各県の秀才達が集う私立大学は、「中堅私立大(上位)」という微妙な表現になってしまったが、大学群としては「成成明学獨國武(一部除く)」「四工大」「女子大御三家」が該当(23年期首更新で関関同立からも一部)。

ややこしくして申し訳ないが、入試難易度と就職力を総合的に見た結果(一応、他の要素も含んで考えたつもりではあるが)、上記の大学をC級とさせて頂いた。国公立・私立それぞれで特徴・得意分野は大きく違っており、同じC級だからと言って、国公立・私立お互いが同じ学力・同じ就職力という単純な構造ではないのでご注意(後述)。

その実力(学力・入試難易度)

国公立大学の場合は、大学入学共通テストで70%は欲しいが、それ以下でも合格できる大学・学部・学科はたくさん見つかる。各県トップクラスの公立進学校では、中位層の生徒であれば合格圏内にあり。地元では優秀層であり、小中学校時代は周りから「頭いい」と言われていたはず(多分)。

当ランクに限った話ではないが、人生の中でマトモに大学受験を経験してきた者であれば、同じC級なのに入試難易度が国公立と私立で噛み合っていないと感じるだろう。現にC級上位大学である大学群「5S」は、私立大学で言えば、B級大学の「GMARCH」「関関同立」レベルに相当する(有力説)。このように、同じC級の中でも学力面では国公立大学の方が優勢という関係性になっている。

社会的評価(就職力)

次に、出口評価としてはどうだろうか?

C級大学というのは正直、大手企業における就職活動では、最も微妙な立ち位置にいる。

私立大学

まず私立大学から述べると、B級大学であれば(超一流企業をのぞき)学歴フィルターの心配は殆どないと言っていいが、C級大学からは徐々にそれが崩れ始める。

大手企業の学歴フィルターは「GMARCH」「関関同立」を合格最低ラインとして設けられていることが多く、それ以下のランクでも業界次第ではチャンスはあるのだが、このC級クラスの私立大学は、まさに学歴フィルター当落線上と言えるだろう。

理系の単科大である「四工大」については推薦応募(学校推薦)もあり例外と言えるが、自由応募の場合は最初の関門も緩くはない。現にこのクラスの私立大学になると、大手企業の総合職ではあまり出身者を見かけなくなる。

国公立大学

一方で国公立大学の場合は、私立大学の学生に比べると希少性(大袈裟な言い方かもだが)が高いので、C級クラスであれば余程の人気企業を除いて日系大手企業の学歴フィルターに引っかかる恐れは少ない。

それだけ聞くと、就職力も地方国公立大学の方が良好のように聞こえるが、実際はそのようにはなっておらず、「有名企業400社実就職率ランキング」では、同じC級クラスだと私立大学の方が優勢である。

国公立大学の学生は地元志向が強いので、地方公務員や、地元で規模は小さいながらも優良な民間企業へと進む者が多く、上記ランキングで分母から公務員等を除外した補正ランキング(以下コラム参照)で、ようやく「成成明学独國武」と並ぶ。とはいえ、「四工大」「女子大御三家」・南山大学・西南学院大学には多くの国公立大学が後れを取る現状にある(成成・・・は差が激しい)

なぜ学歴フィルターの心配が要らない国公立大学の就職実績が、学歴フィルターの脅威に晒される私立大学に負けてしまうのか?そうなってしまう理由として、学生の志向以外にも、次のような背景がある。

“地の利”も学歴力のうち

国公立大学の方が学歴フィルターは通過しやすい傾向にあるが、地方に位置する大学がほとんどなので立地面では不利となる。

大手企業は大都市圏(特に東京)に集中しており、移動時間や交通費を要すること、セミナー・OB訪問・インターンなどの機会格差も生まれ、東京で就職活動が出来ないことは想像以上にハンデを抱えることになり、都会に比べると立地面から選択肢が狭まってしまうのが気の毒なところ。

近年はオンライン面接の普及により、「遠距離というディスアドバンテージはもはや過去のものとなった」いう見方もあるが・・・面接については多くの企業がやり方・あり方を模索中であり、テクノロジーに頼って進化していくという単純な話ではない。

企業にもよるが、立地面以外の理由も存在する。地方国立大学については書ききれないこともあるので、詳細は以下のコラムにて。

国公立大学の一部理系学部

ただし、国公立大学の工学部(特に機械・電気など)・理学部の実用系学科(化学・物理など)例外と思ってもらってよい。そういうところは現在も推薦応募制度が強く生きており就職が圧倒的に強すぎるので、「学歴フィルター」だの「地理的な不利」だの、全然関係のない世界である。

ただし、これを逆に言うと・・・一部理系学部でジャンジャンバリバリ大手企業の内定を大漁にゲットしているにも拘わらず、同ランクの私立大学より総合的には劣勢の数値であるということは、文系をはじめとした自由応募で戦う学部学科は相当苦戦を強いられているという側面も見えてくる。

学内での格差は、推薦入学の多い私立大学の方が激しい印象があるものの、実は国公立大学の中でも学部学科での差が大きかったりする。

公務員試験

地方国公立大学は、学生の地元志向もあって公務員試験の実績が高い。ただ、公務員試験は学歴が合否に殆ど関係しない公正な実力勝負であることが、民間の就職試験とは大きく異なる点である。つまり、国公立大学の学生・出身者だからと言って、公務員試験が試験制度上、有利になる訳ではない。

大きなお世話かもしれないが、そのような状況の中で、相対的に難易度の高い国公立大学をわざわざ目指す意義とは何か?「なんとなく国公立」ではなく、明確な答えは持っているだろうか?(学費だけでなく)なにも、良い職場に就くための選択肢を拡げるだけが「大学選び」のすべてではないのだが、大学受験からの少し先の未来を見てみる上では、一つの視点として考えてみるといいのではないだろうか。
※ 私立信仰ではないので誤解のないよう

公務員と学歴
注:当コラムは公務員試験に関する具体的なテクニック紹介等の対策コラムではありません。 公務員試験と学歴の関係 あまり関係ない 相関関係?因果関係? 厳密に言うと、この小見出しは誤解を招く言い方ではあるのだが、敢えてこのように表現した。 過去...

総括

同じC級クラスの中でも、属性により事情が異なるのだが、これまでの話をまとめると下表のとおりとなる。

土俵 C級内の力関係
・入試難易度
・公務員試験
(本来の学力・実力)
国公立私立
・大手企業就職力
(実力以外の要素も)
国公立(一部理系学部) > >
 > 私立国公立(その他学部)

C級国公立理系実用系学部学科だと学歴的価値はB級私立理系を上回ることもあったりと、文系理系、国公立私立すべてを引っくるめたランキングなので、学部単位で見ると逆転現象も発生し得る。

自由応募の場合、国公立私立問わず学歴フィルター通過後も、B級大学以上の学生に比べると選考で苦労することは確かである。しかし、悲観し過ぎることはなく、結果を見れば大手企業の採用実績校一覧でこのクラスの大学名を見ることはザラにあり(国公立は一部理系学部だけじゃないことを祈るが)、景気次第では可能性は拡がるので、頑張ってみるべし。

関係大学群

5S
5山
STARS
関関同立
四工大
女子大御三家
成成明学獨國武

関連ランク

【詳細ランク】
C級上位大学
C級中位大学
C級下位大学

【お隣のランク】
B級大学
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