関東上流江戸桜

大学群

構成大学

関東学園大学
武大学
通経済大学
江戸川大学
美林大学

レベル帯

F級(コラム最後の方で補足あり)

概要

このワードを聞くと目黒川など東京の桜の名所をついイメージするも、よくよく考えると江戸なのか関東全域なのか、「上流」とは貴族のことなのか川の上流のことなのか、結局のところしっかりとイメージが定まっていそうに見えて実際はメチャクチャであり、一体誰が考えたんだと思わず吹き出してしまいそうな大学群名なのだが、一応通じる人には通じる受験用語(?)にはなってきた。

私立大学群の位置づけとしては大東亜帝国」の次である。「大東亜帝国」までは中堅私大とギリギリ言えなくもないが、正直ここまでくると・・・。一つ例外扱い出来そうな大学がないこともないが。

発祥の詳細は不明であり、有名な大学群のようにどこかの予備校が生み出した訳でもないようだ。個人の記憶でしかないが、2000年代初頭あたりの時期では小耳にすら挟んだことはなく、大学群としてはかなり新参の部類である。

大学紹介

関東学園大学

どこの大学でしょう?

神奈川県にある大学ラグビーの古豪・・・のことではない。当学は群馬県太田市にキャンパスを構えており、いきなり「江戸」からは距離的に大きく離れる。

群馬県と言えば群馬大学・高崎経済大学といった国公立大学が有名であり、他にも3校の公立大学を構える公立天国なのだが、当学は「群馬の早慶」なのかと言われると、実はもう少し偏差値の高い大学もあったりする(医療福祉系の大学が多いが)。

元々は女学校であり、戦前は新宿にあったらしい。戦争で校舎が被災したこともから創業者の故郷である群馬県で再スタートを切った。

学部、就職

学部としては経済学部一本で勝負しており、経済学科と経営学科に分かれるのだが、後者の中ではスポーツマネジメントコースが目を引き、「経営と何の関係があるの?」とツッコみたくなるが、スポーツチームの運営・スポーツ業界のビジネスモデルを学ぶことが出来る。かつては法学部も構えていたのだが残念ながら2010年に募集停止している。

就職は地元群馬県が5割近く、卸売・小売業が1/3を占める。もし昔のように新宿にあれば・・・なんて考えても仕方はないが。

上武大学

また群馬

当学は群馬県伊勢崎市、高崎市に所在する。そもそも「上武」とは旧国名の上野国と武蔵国を掛け合わせたもので、群馬県と埼玉県にまたがるエリア一帯のことを指している。この地域では「上武」の名を冠する企業・施設等も見られ、秩父鉄道も昔は「上武鉄道」と呼ばれていた。

ソフィアではない。

創立当初は商学部からスタートしており、それが経営情報学部になったりと再編を繰り返し、現在はビジネス情報学部・看護学部の2学部構成となっている。

ビジネス情報学部は経営・経済学系を主体とするが、ここでもスポーツ健康マネジメント学科が設けられている。コースの中で特徴的なのは柔道整復師コース。これはスポーツの柔道で汗を流す訳ではなく、捻挫・骨折・脱臼などの外傷を治療する、いわゆる整骨院の先生を目指すのだ(国家資格です)。

就職(開示状況が・・・)

卒業生の主な就職先についてはあまり具体的には確認できなかったが、公務員の公安職への就職が多く確認されている。

流通経済大学

日通大学?

当学の本部は茨城県龍ケ崎市、他に千葉県松戸市にも都市型のキャンパスが設置されており、一部の学部ではキャンパス選択制がとられている。という訳で、ここも「江戸」ではなかった。

そもそも「流通経済」というのは物資・商品の輸送であったり、通貨・金融を通じた交換に関する分野であり、当学は日本通運による寄付のもとに流通経済の研究を進め、高い知見をもった専門的人材を育成することを目的として設立された。要は、日通が作った大学である。

学部、就職などは?

核となるのは勿論経済学部だが、他には法学部、そしてスポーツ健康科学部といった多彩な学部が設けられている(ここは学部として独立している)。部活はサッカー・アメフト・ラグビーが有名。

就職先では日通が多数を占めるのかと思いきや、その名が登場しない学部もあり、意外と色んな就職先にバラけてはいるようだ(日通への推薦制度は無論ありそうだが)。

また、似たような大学に流通科学大学がある。こちらは兵庫県の大学であり、創設者はダイエーの創業者である。

江戸川大学

立地

今度こそ都内の大学かなと思ったら、今度は千葉県流山市で、最寄り駅は流山おおたかの森駅。「どこの郊外だ?」と言いたくもなるだろうが、侮るなかれ。ここは、つくばエクスプレスの急行停車駅ということで若い世代も増えて開発が進んだエリアであり、駅直結のショッピングモールには高島屋、そしてかの有名な鼎泰豊まで擁する大都会である。

城東高等家政女学校をルーツとしており、かつては東京の小岩町に所在していたのだ(元はちゃんと「江戸川」大学だったのね)。

学部、就職など

社会学部の経営社会学科は多彩なコースで構成されており、現代的なのは音楽ファッションビジネスコース、そしてお馴染みのスポーツビジネスコースもちゃんと設けられている。

就職先はここも卸売・小売業が一番多く、みたところ大手企業はなかなか・・・といったところ。

学食には定評があり、朝食はなんとこのご時世に100円という最強のワンコインモーニングがふるまわれている。

独自のイベントも

2つの高校生向けコンクールが催されており、一つは先述の音楽ファッションビジネスコースが主催していると思われる「軽音楽コンテスト」で、ボーカルは女子のみというこだわりも発揮している。

もう一つは「簿記コンクール」であり、問題はパッとみたところ日商3級くらいの難易度だろうか。

桜美林大学

「江戸」の範囲外ではあるが

ここのメインキャンパスは東京都町田市。その他、新宿など都内を中心に色んな場所にキャンパス・施設が点在している。

また、当大学群では当学が唯一のミッション系であり、「キリスト教精神に基づく国際人の育成」という理念を掲げている。他のミッション系大学のように外国人宣教師が関わっていたわけではないが、創立者が同志社大学神学部卒のクリスチャンであった。

学群制

また、学群制を敷いており全部で6つの学群に分かれているが、航空・マネジメント学群では航空管制・整備管理のみならずパイロットの養成コースまであり、JALと提携しているとのこと。

健康福祉学群では社会福祉専修、精神保健福祉専修、保育専修、そしてスポーツ科学に分かれ、各学群、実に多彩な分野へと展開している。

大東亜帝国レベルはある?

有名企業400社実就職率ランキングでも2018年にTOP200大学にランクインしたこともあり、偏差値的にも当大学群のトップであるという認識が多いように見受けられる。

研究面では、科学研究費の採択件数は35件であり採択率も35%とまずまずの研究実績を見せており、これは武蔵大学、西南学院大学、立命館アジア太平洋大学といったC級下位D級上位の私立大学に並ぶ水準である。

社会的評価・実績

有名企業400社実就職率ランキング(20~22年度)

大学 就職率
22年度 21年度 20年度
関東学園大学 圏外
上武大学
流通経済大学
江戸川大学
桜美林大学

公務員就職率(18年度)

大学 就職率
流通経済大学 7.1%
関東学園大学 圏外
上武大学
江戸川大学
桜美林大学

上の表には有名企業400社実就職率や公務員就職率が集計できなかった大学もあるのかもしれないが、ランクインが確認できたのはこれだけである。厳しい現実とはなるが、大手企業へ就職するための学歴の機能としては期待できず、公務員試験も公安職以外はなかなか難しい戦いとなる(公務員試験は制度上、学歴は無関係ではあるが)。

とはいえ、当大学群には2023年時点においてはBF(ボーダーフリー)の学科は一つもなく、誰でも入学出来るような大学ではない。英文法の問題集の中には、これらの大学の過去問が登場していた記憶もある。つまり、後世に受け継がれるような良問を解いてちゃんと関門を突破しなければ入学は許されないということだ。

22年4月のランキング更新によって、大東亜帝国クラスがD級→E級へと引っ越してきたことで、玉突きで当大学群はE級→F級へとスライドすることになったのだが、「Fランク」といっても様々であることは承知の上ではあったが、やはり「Fランク」大学呼ばわりは失礼だったかもしれないう~む、どうしようかな〜)。


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