構成大学
・中央学院大学
・東京国際大学
・和光大学
・平成国際大学
・立正大学
レベル帯
D級〜F級
概要
どこのどいつが考えたんだ
もはや失笑を禁じえないような大学群だが(個々の大学自体のことではありません)、個人的には大学受験の中で直にその名を聞いたことなどなく、近年の受験関連動画でも全くと言っていいほど耳にすることもなく、一つ明らかにレベルが違っている大学もあるので、ネーミング面でのネタとのようにしか思えない。
元々は「中東和平」という大学群だったようで、レベル的にはそちらの方がまだしっくりくる。位置づけは「関東上流江戸桜」より下位なのかもしれないが、このランクに至ると基本的に推薦入学者の方が多いので見かけの偏差値はあまり参考にならない。
いずれも関東の大学にはなるが、一応他の地域でも一定の知名度を持った大学もないことはない。発祥は不明だが、遅くとも2010年代初頭には存在していた大学群である。
社会的評価・実績
有名企業400社実就職率ランキング&公務員試験実績
結果は敢えて述べるまでもない・・・と言いたいところだが、実は有名企業400社実就職率ランキングにランクインしたことのある大学が存在する。その点については後程ふれるのでお楽しみに。
大学紹介
中央学院大学
知名度はまあまあ
千葉県我孫子市に所在する大学。明治学院大学に関しては「某B級中位大学の弟分??」と偏差値表で知った人が多いはずだが、ここは失礼ながら某B級下位大学とはあまりに距離がありすぎて、目に入る機会がなかったのではないだろうか。だが、駅伝でその名を知った人は多いだろう。
文系3学部を抱えており、起源は明治末期、我が国が経済規模の拡大に躍起になっていた時代、近代商業への高い見識と人間性を持った人材の育成を理念として掲げて誕生した日本橋簡易商業夜学校である。当時は東京の日本橋、つまり中央区に位置していたので、まさに「中央」の名にふさわしいEX級立地だったのだ。その後、中央商業学校→中央高等学校と変遷していくことになる。
マルチに活躍
スポーツにも力を入れており、先述のように駅伝が有名。箱根駅伝の本戦出場校の中では中堅クラスの成績をおさめている(最近出場を逃したこともあったが)。野球もかなりの強豪であり、令和3年には神宮で優勝を飾るほど。他にはゴルフ、サッカー、バレーも強い。
就職については・・・・・・・なのだが、「おっマジで!?」って思っちゃう業界最大手メーカーの名前も就職先の中で見かけたりもする。体育会系の枠でなのだろうか?
東京国際大学
東京はサテライトのみだったが、ついに
埼玉県川越市の大学。1965年の創立であり、当時は国際商科大学という大学名。創立20周年を迎えた直後に現在の名称へと変わる。元来の大学名から想像出来るように、商学部からスタートした大学である(意外にも経済学部は大学名が変わったあたりからの設置)。医療健康学部で理学療法が学べるものの、あとは文系の学部で構成されている。
2023年には新キャンパスのオープンが予定されており、そこはなんと池袋サンシャインシティの隣接地。地上22階の超高層、施設はトレーニングジムにラウンジに・・・高級ホテルかコノヤロ(笑)。
キラキラ感あるのだが・・・
「国際大学」を名乗るだけあり留学制度が充実してるのは勿論、姉妹校である西海岸でも最古の歴史を持つというウィラメット大学(の中にある東京国際大学アメリカ校)でも単位を取得する事ができ、留学をしても4年間で卒業できる。
英語、データサイエンスといった世の中での需要の大きいスキルを掛け合わせて習得出来るコースもあるようで、当大学群の中でも教育に対して一際気合が入っているように感じられる。ただ、それ故か国際関係の大学・学部あるあるなのだが、入口は広く出口が狭いという状態であり偏差値が低迷しているようだ。また、コロナの関係で国際系の人気か急落したことも痛手だったが、今後の巻き返しに期待だ(国際系にしては中退率が低い。また、池袋キャンパス新設に伴い新しい寮も出来るらしいぞ)。
箱根駅伝では2020年に5位という輝かしい成績をおさめている。ヴィンセントという選手の豪快な走りは記憶に残っている人も多いのではないだろうか。
和光大学
逆方向だった
埼玉県和光市・・・と見せかけ、キャンパスは東京都町田市にある。銀座4丁目のお高そうなお店とも関係はない。しかもキャンパス内に和光銀座という通路があり、なんともややこしい。てか、わざと色々ややこしくしているだろ絶対(笑)。実は創立者達は元々成城学園に属していたのだが一悶着の末、和光学園が立ち上がっている。
和光3分大学という鉄道広告は首都圏にお住まいの方ならば一度は目にしたことがあるのではないだろうか(ついつい見入ってしまいそうなのだが、そんな姿を人に見られるのがやけに恥ずかしかったり・・・何言ってんだこのオヤジ)。ググってみると「あーこれね!」って多分なると思うので是非。
「自由」なイメージが強い
学部・学科の枠を超えてほぼ自由に科目を履修可能となる、和光大学名物の講義バイキングという制度がある。表現学部以外の学生でも芸術関係の講義を取れるほど自由。真面目な話、WEBであれ紙媒体であれ広告作成時等における美的センス・スキルというのもビジネスパーソンにとっては欠かせない要素となるので、そのような素養を育める機会に恵まれるのは素晴らしいこと。
表現学部の存在もあり、同学出身の有名人には漫画家やミュージシャンといったアーティスト・芸術家の方々が多い。一般の就職については・・・敢えてコメントは差し控える(汗)。
意外な一面
入試については、一般試験での入学率が5割前後ある。もはや推薦入学が主流となりつつある私立大学としては割と高めであり(半分で“高い”というのも何だか悲しいのだが)、見かけの偏差値よりも学力レベルは高いと見ていいだろう。
とはいえ、一般の前期試験、共通テスト利用Aの倍率は1.1〜1.2くらいなのでなかなか厳しい状態に変わりはないようだ。
平成国際大学
“平成大学”ってないのね
キャンパスは埼玉県加須(かぞ)市にあるのみ。加須市は東武鉄道が乗り入れる東京メトロ半蔵門線でたまに終着駅となる久喜駅(最寄り駅ではないがそこからスクールバスが出ている)の近隣に位置する街であり群馬との県境にもかなり近い、鯉のぼりの名産地。キャンパス周辺は田園地帯で、のどかな所である。
運営母体は佐藤栄学園という、地元ではかなり存在感のある学校法人とのことで、甲子園にも度々出場している埼玉の強豪、花咲徳栄高校もこちらの系列である。
学部構成
平成7年の設立時には法学部一本でのスタートを切るが、2017年に待望の新学部、スポーツ健康学部が設置された(と言っても、もともと法学部の中にスポーツ福祉政策コースがあり・・・なかなか無理があったような)。しかも現在は、本流であるはずの法学部の方がボーダーフリーになっちゃってることについては、一体なんと言ったらいいのか。
ここまでの話からだと「一体どの辺が国際なんだ?」と言いたくなるが、台湾、韓国の大学と国際・学術交流等協定を結んでいるようで、お互いで交換留学をしているとのこと(う〜むちょっとフォロー弱いか?)。
ここです。
先に出てきた東京国際大学とはなかなか毛色が違いそうで、就職の方も気になるところだが、有名企業400社実就職率ランキングの200位入りを果たしたことのある大学とは、実はこの平成国際大学のことである。
20年に見事174位の成績を収め、実数では12人だけだが、2学部のうちの1つは法学部なだけあり大手民間企業以外に公務員試験でも実績を上げている(公安職がやはり多めだが)。
立正大学
中東和平をかなえてくれそうな大学
東京都品川区という好立地であり、メインキャンパスはJR山手線も停まる五反田と大崎の間くらい。もう一つのキャンパスは結構離れ、埼玉県熊谷市にある。仏教(日蓮宗)の大学でもあり、起源は1872年にまでさかのぼり、学長は現在35代目にも及ぶ歴史を誇る。
大学名の由来は日蓮聖人の「立正安国論」からきており、それは1200年代後半、我が国に災害が相次いだ中、政治・宗教のあるべき姿を説いたものである。仏教系四大学野球大会にも参画しており(他のメンバーは愛知学院、駒沢、龍谷)、色んな意味でボウズだらけだ。
学歴的な位置づけとしてはE級大学の「大東亜帝国」より少し上とされる認識が多く、当大学群の中では頭二つくらい抜けており、なぜこの大学群に属しているのか永遠の謎という他ない(いや語呂のためなんだろうけど)。
“あるべき姿”もデータで見出す時代であろうか?
学部数は9にもおよぶ総合大学であり、伝統ある大学だが昨今話題のデータサイエンス学部も開設しており(やや文系色が強いデータサイエンス学部のようだが・・・なお、キャンパスは熊谷)、時代の変化に対応する姿勢も見せている。
他には文・経済・経営・法・心理など文系学部は一通り揃っており、中には河合塾の偏差値50に至る学部も見られる。新鋭のはずのデータサイエンス学部が偏差値35という、ボーダーフリースレスレを走っているのは辛いところだが、沢山の学部や試験方式がある中でもボーダーフリーは今のところなし(セーフ)。
就職実績としては、D級とはいえ大手企業への就職はなかなか苦戦気味のようだが、信用金庫など金融系を多く見かけた印象である。
ボーダーフリー(BF)とは?
そもそも河合塾の定めるボーダーラインとは、合格・不合格の可能性が50%に分かれるラインのことである。つまり、「ボーダー」といっても合格最低ラインを表す訳ではないのだ。
「ボーダー」なんて言われると、「この線を越えたら合格だ!」と思いがちだが、実際は感覚的には合格者の中でも下の上くらいの位置におり、ボーダーを下回る偏差値でも合格している人はいる。合格者はいるものの、同じレベルだと不合格者の方が多いという話だ。
合格者数≒不合格者数となる偏差値
そしてボーダーフリーとは、ボーダーラインの設定基礎となる前年度入試結果調査データにおいて、不合格者数が少ないため合格率50%となる偏差値帯が存在せず、ボーダーラインが設定できなかった場合、とされている。
ということは、ボーダーフリーの試験方式であっても、それは「不合格者がいない」とは限らないということを意味する。
名前書けば受かるなんてのは都市伝説に過ぎず、少なくとも本稿でご紹介した大学に関しては、決して誰でもザルで通れる訳ではないので誤解は禁物だ(学部学科方式にもよる)。