関西の学歴ランキング

hankyu コラム

※ 21年に投稿した記事「関西における学歴ランク」をリライトしました。

関西版 大学ランク

ランク大学
S級京都 (東京)
A級上位大阪 (一橋 東京科学)
中位神戸 (東北 名古屋)
下位(北海道 九州 早慶上位)
B級準A大阪公立 (TOCKY 早慶中位)
上位京都工芸繊維
奈良女子 京都府立 神戸市外国語
同志社 (岡山 広島 早慶下位)
中位滋賀 立命館 (GMARCH上位)
下位和歌山 兵庫県立 関西 関西学院
(徳島 GMARCH下位)
C級上位京都教育 大阪教育 (鳥取)
中位その他国公立大
(Fランク私立大からの公立大 以外)
下位近畿
D級上位甲南 Fランク私立大からの公立大
(日東駒専上位)
中位龍谷 京都産業 大阪工業
関西外国語 京都女子 同志社女子
神戸女学院 神戸女子 武庫川女子
(日東駒専下位)
下位京都外国語 佛教 大阪経済
E級摂南
神戸学院 追手門学院 桃山学院
京都橘 四天王寺 畿央 甲南女子
大和
F級その他

西の学歴序列

学歴ランキングや大学序列というものは、地域によって多少変化があり、「京阪神」「関関同立」「産近甲龍」「外外経工佛」「摂神追桃」を擁する関西にも独特の学歴観が存在する。特に難関大学では位置付けが多少変化する大学がいくつかあるので、紹介していきたい。

関西において認識されている学歴ランキングはおおむね上のとおり。もちろん人よって色んな考え方はあるが、個人的に関西の人達と関わった機会が多く、その人達との交流の中で取得してきた情報や意見によるもの。つまり、関西の人達はこう認識しているというランキングであり何か指標をもとにしている訳ではないのでご承知おきを。

本当は「東大・京大・阪大・神大・KKDR」の一言で片付くのだが、それでは味気ないのでもう少し詳細に実態を述べたい。

トップページの全国版ランキングと比較すると、大きく下記2点の特徴が見受けられる。

① 地元(関西)の大学に対する評価が高い

地元びいきなのは、どの地域でも当たり前である。また、地元大学へ進学していくのはごく自然なことであり、地元の大学のことならよく分かっている。

とりわけ関西の人達はあまり積極的に上京する方とは言えず、逆に関東の人達にとっても北海道・東北地方に比べると関西へ行くのはちょっとした心理的ハードルがあるので東側の生の情報もあまり入ってこない(万国共通だが、自分より少し西側の国・エリアに対しては苦手意識を抱く傾向にある)。

② 国公立大学に対する評価が高い

関西地方といえば日本で第2位の大都市圏だが、そのような都会においても意外と今も国公立志向が根強く残っている。関東(特に東京)では国公立大学がS級B級に偏っているのだが、関西では万遍なくそれらが存在しており多くの受験生にとって目指しやすい印象がある。

また、「関関同立」のような全国区のブランドを持つ私立大学もあるものの、C級にも実力ある私立大学を擁する関東に比べると私大の層が薄いところもある。

東西の認識差

①②による産物の代表例となるのが、「早慶」に対するイメージの違いである。この点は関東と関西では大きく異なる。

関西では「早慶」に対する評価があまり高いとは言えず、「京阪神」の方が贔屓されがちである。関東での就職戦線において早慶はS級大学に準じる扱いを受けることすらあるが、関西ではそのような実態がさほど知られていない。関東では神戸大学があまり知られていないのと同様に、関西において早慶は過小評価がされがちと言える。

ランク解説

関西S級

各エリアで一番の大学(地帝など)は地元では神様であり、東京大学に及ばないことは承知しているものの、一般人から見ればどっちも等しく雲の上であるという認識に変わりはなく、関西もその例に漏れない。関西ナンバーワンである京都大学でも、東大には勝てないことは誰もが分かっているが、そこまで大きな差があるわけではなく、あくまで同ランク帯であるという感覚である。

ただし学歴というより、大学受験の偏差値上の比較においては東大一強状態がより鮮明となる中、東大と京大の差の大きさは既に多くの関西の受験生にも知れ渡っているはずだ(これだけネットで言われているしねえ・・・最近は東大・京大を並べると「京大を過大評価している」と言われるようになってしまった)。

関西の中では京阪神の3大学がまず難関大学という認識であり、その中でも京大がさらなる別格として唯一東大に対抗出来る・・・つまり、日本は東大による唯一神ではなく、京大も双璧として並ぶという感覚である(偏差値差はともかく学歴的には東大よりチョイ落ちくらい)。

関西A級

上位

関西ナンバー2は大阪大学。旧帝国大学」が2校もある地域はこの関西だけであり(関東ですら1つだけ)、国立大学の層の厚さを表している。その代わり関東には就職最強格の「早慶」に加え、超旧帝級の一橋大学・東京工業大学が存在する。

だが、早慶はもちろん一工でさえも関西ではあまり強く意識されておらず、「阪大以上・京大未満」という位置付けであることは、なんとなーく分かってはいるものの、阪大とあまり大きな差は付いていないという認識となる。「一橋・東工行くなら別に阪大で十分」というマインドが関西ではまだ残り続けている印象であり、実は一工の偏差値は京大に追いつきつつある(特に一橋)という話もあるのだが、東大行けても京大、一工行けても阪大に行く関西人も少なくないため、ともに学内上位層は結構厚い(上位層は大阪大学より他の地帝の方が多いと舐められがち)。

中位(ここは文理分けようか迷ったが)

神戸大学は文系だと大阪大学とあまり大きな差はない。理系だとやはり壁があるようだが、理系ですら意外と下位旧帝を越えようかという難易度があるようで、大学関係者・関西の受験生からすると北海道大学・九州大学はもはや格下のように見ているらしい(出世したなぁ)。

今のところ、新たな脅威とされている大阪公立大学に追いつかれそうな様子は見られないが、同学の学費無償化や新キャンパスのオープンはこれからのため、神戸大学にとってA級の地位が盤石だと言い切るにはまだ早いか。

関西B級

準A

その大阪公立大学が関西4番手としての位置づけであり、地元では筑横千とも十分戦えるとの太鼓判を押されており、関西B級大学群の単独王者であることは疑いようがない。

だが、まだまだ上の3つとは一線を画されている感は否めず「難関10大学」として全国区の実力を持つと認識されるのは「京阪神」まで。地元で評価されているからこそ「あと一歩だったのに・・・」感も一潮。例外的に、理系の中期日程については大阪府立大学時代より、京大・阪大落ちを拾うことが出来るため、A級クラスの実力があるとされてきた。ただ、後期試験も併願合格が出来るため入学辞退者が多くなるので見かけの難易度が上昇しているだけだというご意見も頂いたことがある(偏差値ってそれで影響する仕組みなのか??)。

文系だと、本学と同志社大学でW合格した場合は迷うケースが結構あるようだ(なんだかんだ言ってハム選ぶ人多そうだが)。

関東の大学については、どうしても関西の人達にとっては私立大学に対して賢いイメージが持てないからか早慶は平均的にこのあたりのレベルだと思われている(就職が非常に強いことはなんとなく知られてきているが)。筑波大学・横浜国立大学あたりもぼんやりとは分かるものの、私立の上智等にもなると、もう全然イメージがない。

上位

このランク帯の筆頭となるのは京都工芸繊維大学。一昔以上前だと、文系学生では地元関西の人達ですらどんな大学なのかピンとこないイメージだったが近年は理系優位により存在感を高めている。

同じ京都の上位公立となるのは京都府立大学。文学部のイメージが強く、同学部は大阪公立大学よりも力があるのではという話もある。受験科目がやや削られていることにより偏差値が上がっているという側面はあるが、関西ではやはり難しい大学として認識されている。いずれの学部でも女子比率が高く、卒業生は大人しめの(ちょい地味な)女性が多かった。

奈良女子大学は古豪だがここでさえも女子大不人気の波には逆らえず通常版ランキングではB級下位にまで追い込まれてしまったが(女王でさえも最近ちょっと・・・)、「京阪神」に続くグループの1つとして優秀な印象が根強い。22年に新設された工学部の難易度は今のところ金沢大学と同程度。

かつては東京外国語大学・大阪外国語大学とともに「三外大」と呼ばれた神戸市外国語大学も、外国語学部の不人気はありながらも地元での評価は高く、関西だけではなくその周辺でもそこそこの知名度があり、関西からの入学比率は半分強に留まる(神戸市の中での立地が微妙な影響もあるかもしれないが)

これらの国公立大学であれば「関関同立」水準は超えている・・・と言いたいところだが、それに待ったをかけるのが同志社大学。純粋に学力水準で言えば一歩後れを取るかもしれないが、西日本私大随一のブランド力と上位層の厚さで高い就職力を誇り、実際に社会で活躍している人達もよーけおる(全国的に存在感がある)。

関西人が相手の学歴を聞いたときの反応として、「京阪神」なら目玉が飛び出るが、このランク帯の大学に対しても大きめのリアクションが期待できる。関東をはじめ、あまり他の地域の大学については意識が強くないが、中国地方の広島大学・岡山大学は関西においても一定の存在感がある。どちらかというと、地理的に近い岡山の方が関西に入り込んでいる印象がある。

中位

なんとも中途半端にポツンと2つだけ取り残されている感があるが、和歌山・関関からは一歩抜けているという見方も出来る。

滋賀大学、特に経済学部が旧高商の流れを汲む伝統・実績を持つことは全国でもそこそこ知られるようになってきた。国立大学にしては少なめの科目数で入学出来るためコスパの良さも注目され、関西では関関同立よりも優先して選ばれる傾向にあるようだが、立地が彦根(岐阜寄り)なのが微妙なところ。就職実績を見ると大手企業へ入社した人も多く超難関企業の名前もあるのだが、国立大学の経済学部としては学生数が元々かなり多いという点は注意。

立命館大学はもっと上の世代から見ると、どう見ても同志社大学・関西学院大学には及ばないという位置づけであったが、ここ最近は関西学院大学を逆転しているイメージがあり、この位置とした。滋賀県のキャンパスは、滋賀大学よりは京都寄りだが、最寄り駅から徒歩で行くのは無理。

下位

和歌山大学は、全国版だとC級中位という厳しめのランク付けになってしまったが国公立王国の関西ではまだまだ高い評価を得られる。とはいえ、大手よりはその子会社や中堅企業でよく見かけた記憶がある・・・理系は別として。理系だと徳島大学へ進んでいた人もいる。

関西学院大学・関西大学は「関関同立」の中でも下位のイメージが拭えず、特に関西学院大学は今も高い就職実績を誇るものの、推薦率の高さがあらわになって物議をかもしてしまった(最近改善してきたが)。それでも両学とも関西の高学歴の入口であるという認識も根強く、近大とは全く違うという印象だ。

「関関同立」はもはや関東で言えば「成成明学獨國武」クラスと言われるようにもなってきたが、A級大学不合格者も併願で入学してくるため上位層の厚みが違い、学歴的には「GMARCH」にもまだまだ全然対抗可能と言ってよい。

兵庫県立大学は全国的な知名度はもう少しかもしれないが地元では結構ちやほやされ、自分が同学の学生であることを褒められてデレデレしている学生も見られた。ここに関西での国公立志向の強さがよく分かる(いや相応の実力はあると思います)。関西で高学歴と認識されるラインギリギリ越えは、国立は和歌山、私立は関学・関西、そして公立ではこの兵庫県立大学であると個人的には思っている(神戸市外国語はもう十分すぎる)。

関東の「GMARCH」はもちろん関西でも有名だが、学習院大学(G)のイメージが薄いのと、明治大学の勢いをあまり知らず同志社大学より下だと思っている人が多かったと記憶しているが・・・最近、明治も有名になってきているのだろうか?(それでも同志社の方がちょっと上だと思っている人が多そう。ワシもそう思っている ← )

関西C級

高学歴ラインの線上を意味するランクであり、全国版同様、層としては非常に薄い(というか上下差が狭いと言うべきか)特殊なランク帯である。国立の教育大学や古くに設立されている公立大学が基本的に該当する。

STARS」からゲストとして鳥取大学を挙げた。学生の4割が関西地方出身者であり、地元関西の国立大学が厳しい場合はここが選択肢として挙がってくる。

その中で唯一私立大学で滑りこんできたのが「産近甲龍」の筆頭、近畿大学。先述の通り「関関同立」とはまだまだ壁があり、実績面ではC級を挟んでD級が適切かとも考えたが、全国的にもその名は広まり(早慶近)、地元においてはまたさらにその存在感は高まる中、「関関同立」がダメなら次は近大という立ち位置を確立している。

関西D級

旧バージョンでは関西だと「国公立大学はすべてC級以上」としていたが、公立としては新興でまだまだ実績を積み上げるのはこれからだという大学も最近増えているので、この位置とした。

一方で、「産近甲龍」は関西の有名な中堅私大として長らく実績を積み重ねてきており、国公立志向の関西においても一部の公立大学よりむしろ人気も勢いも感じられる。近畿大学はC級へと抜け駆けした形だが、それに続くのは古豪の甲南大学で間違いないだろう。龍谷大学京都産業大学だと若干前者が優位のようだが、立地の差であろうか。

そして理系優位の現状に応じて、大阪工業大学がそのプレゼンスを高めてきており大手企業就職実績も順調に推移し「外外経工佛」の中で頭一つ抜け出すどころか「産近甲龍」の立ち位置にも完全に割り込んで打ち崩そうかというくらいかもしれない(関西外国語大学は最近の外国語学部の不人気や推薦率の高さが気になる)。「外外経工佛」の他のメンバーや有名女子大までが中堅私大として認識されるところ。

関西E級

E級では老舗の「摂神追桃」と新興の大学によるせめぎあいが起こっている。先頭を走るのは理系に定評がある摂南大学で間違いないだろうが、神戸学院大学はボーダーフリー学部を抱え、桃山学院大学は立地面でなかなか苦労しているようだ。教員養成で名をはせる四天王寺大学畿央大学等も参戦して学生の奪い合いが熾烈を極め、生き残りに必死である。

新興の大学の中で急速にその知名度を伸ばしているのが大和大学。河合塾ボーダー偏差値は50以上の学部が多くなかなかのものだが、推薦率が公開されておらず詳細がまだ掴み切れていない。分母を「就職希望者」とした有名企業400社実就職率は2割を越えるとのことだが・・・。いずれにせよ、関西でいま大変注目度が高い大学であることに間違いはない。

関西F級

他にも関西で人気を伸ばしてきている大学があれば、ご一報願います。

 

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