構成大学
・(T)筑波大学
・(O)お茶の水女子大学
・(C)千葉大学
・(K)神戸大学
・(Y)横浜国立大学
レベル帯
A級下位〜B級上位
概要
POCKYでもTOPPOでもない。お菓子や玩具のようなポップさを印象付けてくるが、その耳への残りやすさ故か最近の誕生以来、年々ネットを中心に業界で認知度を上げている、立派な大学群の名称である。
大学群としては簡単に言うと旧帝に次ぐ国立総合大学という位置づけであり、その人気・実力ともに「一流」に限りなく近いと言えるほど高いものがある。当サイトのランクで言うとB級準Aランクがボリュームゾーンとなり、つまり「準旧帝・準A級」、さらに言い換えるなら「ほぼ旧帝・ほぼA級」というハイレベルな大学たちである。
結成の経緯、特徴
フレッシュな大学群
YouTubeで毎日動画を発信されている、ネットでは大変有名な個別指導塾さんによって考案された大学群である。
誕生は2020年ということでまだ歴史としては新しく、リアルでの認知はこれからという印象こそあるものの、YouTubeでは「旧帝国大学」とあわせて「TOCKY」も共通テストボーダーのリサーチや就職実績が紹介されたりと、ネット上では浸透しはじめている様子。
当個別指導塾以外のチャンネルで投稿された動画や、そのコメント欄においても「TOCKY」の名がたびたび登場するようになり、どの大学で構成されているのか等の設定説明が特段なくとも、受験生・大学生・学歴厨の中では共通言語として通じるようになってきているようだ。
加入要件
大学群の特徴としては・・・
- 国立大学であること
- 総合大学であること(と言っても本当に総合大学感があるのは3つだけ)
- 旧帝ではないこと
- でも、旧帝に追随し得るレベルであること
・・・が挙げられる。同レベル帯の国公立大学としては東京外国語大学、国際教養大学、大阪公立大学が挙げられるが、他の要件により、当大学群からは落選となった模様。
もう一つ、エリア的な特徴もあり、主に関東地方の国立大学で構成されている。関東には東大以外に旧帝国大学がなく、東大・一橋・東工大に次ぐ関東国立大学群と捉えることも出来る。既存の「筑横千」がベースとも言えそうだが「早慶」のインパクトに押され気味だった中で、他の2大学が加わったことにより多少は存在感が増したことだろう。
ただ、関西からも旧帝の京大・阪大に次ぐ位置にある神戸大学も招き入れており、後述するがこの点がちょっとした物議の一端となっている。
旧帝との違い
試験問題のレベル
「旧帝国大学」の中でも差があるのたが、やはり二次試験がどっしりと重く、「地帝」の問題でもかなり難解な問題に立ち向かわねばならず、深い思考力と正確・簡潔な記述力が問われる。それに対して「TOCKY」では標準問題・典型問題が比較的多いと言われるので、まだ取っつきやすく、共通テストとの配点の面でも二次試験にかけなければならない比重は高くない。
とはいえ、試験問題のレベルがそのまま入試合格に要求される学力レベルと直結するとも限らず、TOCKYではいかに制限時間内で確実に高得点をもぎ取るかというまた別のハードルがあり、学力レベルというよりは対策の方向性が違うという方が適切かもしれない。
科目数
学力レベルに関係するのは、こちらの方であろう。
共通テストと二次試験、あわせて10回前後ものテストが課される難関国立大学の受験生にとっては、一つ一つの対策にかけられる時間は限られたものになる。特に二次試験においては科目の数が一つ違えば重みが大きく変わるので、科目数が違えば合格のために必要な負担、つまり難易度がガラリと変わってくることになる。
「TOCKY」の場合、特に文系では科目数が少ない、いわゆる軽量入試が散見される。文系受験生にとって鬼門となる数学が二次試験で課されない方式も多く、ここは幅広い科目で総合力が問われる旧帝国大学との壁である。
理系だと基本的に旧帝国大学と同程度の負担だが、たまに二次試験で理科が1科目少ない方式があったり、共通テストで範囲が狭いバージョンの社会科目が選択出来たりする(これは旧帝では不可。このレベルの受験生で選択する人がどれだけいるのかは不明だが・・・)。
就職力
「TOCKY」であれば学歴フィルターに引っかかるようなケースは稀であるが、「旧帝国大学」は多くの大手企業において採用ターゲット校に設定され、リクルーターを通した別ルートでの選考や、理系の学校推薦枠に違いがある。
大学名だけで切られないという点では「旧帝国大学」でも「TOCKY」でも同じだが、日本の大手企業は旧帝早慶が大好きであり、積極採用という点だとA級とB級としての差が如実に表れる。一概に比較は出来ないが「SMART」には勝ってほしかったかな・・・。
学術研究
「旧帝国大学」は研究の幅も規模も質も段違いである。世界大学ランキングでもその強さが明確となっており、日本勢のトップは旧帝国大学でほぼ独占され、「TOCKY」はそれに次ぐ位置となる。
「TOCKY」からは筑波大学が研究力では「旧帝国大学」レベルに食い込んできていると言って間違いなく、唯一、指定国立大学法人として肩を並べている(てか、北大越え・・・)。お茶の水女子大学も専門分野では質的に高い研究レベルにあるようだが、学部が少ないので当然ながら研究の幅が狭い。
よく議論になる点
“群”と言えるかどうか
という感じで「ほぼ旧帝、ほぼA級」として綺麗にまとまっているような「TOCKY」だが、一方で異論を唱える声も聞こえてくる。
関西にある神戸大学のメンバー入りは「関東の大学群」というエリア的な共通項を外すことになる。とはいえ「旧帝国大学」のように全国区の大学群としてのイメージを持たせようと思っても、今度は東西のバランス的に偏りが大きい構成となり、どっちに転んでもなんだかイマイチスッキリまとまってくれない。
「TOCKY」の生みの親である個別指導塾チャンネルの動画では、神戸大学の知名度向上も図られている旨が示唆されている(地方へのアピールという点では他の大学もそうだが)。確かに同学は東日本での認知度の低さに悩まされている節はあり、「TOCKY」をきっかけに他のエリアの高校生たちに知ってもらえるチャンスが増える可能性はあるだろう。
K「大きなお世話だコノヤロー 泣」
だが、神戸大学関係者、関西の視聴者、熱狂的ファンの中にはあまり喜ばしく捉えていない人達も少なくないようで、エリア的な問題のみならずレベル的にも適切ではない、言ってしまえば「一緒にしないでよ」という悲痛なコメントもちらほら見つかる。
確かに当学は「難関国立10大学」に数えられており、その入試難易度は「旧帝国大学レベル」だという認識は珍しいものではなく、動画に出演されていた先生方も元より分かってはいるようだ。
理系はまあ妥当なのでは?
ただ、理系の入試難易度としては細かい軽量入試等の違いはゼロではないものの、予備校偏差値ではほぼ横並びであり、TOCKYの中では5大学とも拮抗した勝負のように見受けられる(特に理学部、工学部)。
今は都市部の理系難化が進んでいることで、「TOCKY」理系は「旧帝国大学」の中では下位に位置づけられることの多い北海道大学や九州大学にも入試難易度的には並んできたのではないだろうか。神戸大学だけではなく「TOCKY」の他のメンバーも揃って難しくなっているということだ(電通大も迫ってきているみたいだぞ)。
研究力も考慮に入れると北海道大学・九州大学とあわせて、「TOCKY」からは筑波大学が頭一つ抜けた存在として、理系の学歴ランキングにおいてはA級としてランクしている。(神戸大学も研究の“質”は地帝にも負けないのだから、理系ランクもA級にしろという声も大きいのだが、かといって“量”だって無視できないしねぇ・・・)。
文系は同情しちゃうかも
あまり知られていないが、文系だと神戸大学の入試難易度は大阪大学以外の「地帝」以上であり、他の「TOCKY」文系入試のような軽量方式も見当たらない。就職力だと自由応募で就活を頑張らねばならない文系学生が多いにもかかわらず、有名企業実就職率ランキングは例年、東北大学より少し高い。研究力では、看板学部の経済学部・経営学部は「西の一橋」と呼ばれる名門(てか自称??)。
理系では筑波大学が頭一つ抜けて地方旧帝並であるが、文系での神戸大学の突出ぶりはそれ以上であり、大阪大学のすぐ後ろに付いて走っているイメージだ。
文系はピカイチ、理系も悪くはない
「TOCKY」に神戸大学がいるのは妥当かどうかは、文系はNO、理系はYESなのだろうが文系・理系総合的には物凄く微妙なとこであり、確かに物議を醸すのも頷ける。大学群内である程度の差があるのは仕方がないものであり、個人的にはまぁギリOKかという印象である。
ただ、イジられポイントはあれど文系・理系を総合的に見ても、この大学に関しては、もはやA級の一線を越えてしまっているのだろう。
救われた大学も
今まで辛かっただろう
逆に、「TOCKY」結成によって得をした(?)大学もある。共通点があり、レベル的にも似通った大学が集まるから「大学群」と呼ばれるのは言うまでもないが、一卵性双生児のようにどの大学も全く同じという訳ではなく、兄弟姉妹でも差や違いは出てくるものだ。そんな中、「TOCKY」に限らずそれぞれの大学群の中で最もハッピーになれるのは、グループの中で末席とされる大学である。
「TOCKY」の中でそれはどこの大学なのだとは敢えて言うつもりはないが、その大学は元々理系の方を得意としており、元より医学部は別格であることは有名であったが、理学部・工学部のように人気を上げている他の理系学部でも、難易度はもう「TOCKY」の他の4大学と遜色ないレベルにある。
見かけよりずっと強い
文系ではこのレベル帯としては就職実績がやや苦戦気味だと言われるが、教育学部や名門医学部の存在もあり、公務員・教員・医者・看護師等を目指す学生もそもそも多い。
入試難易度的には実は科目負担の少ない軽量方式が当大学群の中では少ない方であり、偏差値上は控え目であるように見えて実は見かけ以上に重い入試だという認識も広まり始めている。これも過小評価されがちな一因である。
あっちは卒業?
この大学は「TOCKY」以外にも「金岡千広」という人気ユニットのリーダーも掛け持ちしている。従来より理系は「金岡千広」の中では頭一つ抜けた存在だと認識されていたが、上記のように実力・評判をさらに伸ばしてきている。
金沢大学・岡山大学・広島大学いずれも力のある大学だが、それらすら引き離してしまうほど、あまりに差が拡がり過ぎて今の実態とは合わなくなってきている。それ故に「TOCKY」筆頭大学以上に同情の声が寄せられている。
「TOCKY」の結成により「たなぼた」のように言われることもあるが、当大学群においては末席と認識されることがまだ多いとはいえレベル的にはこちらの方が実態を表しており、「準旧帝」と呼ばれるに恥ずかしくないくらいの実力はあるだろう。
強いて言うなら
仲間外れとまでは言わないまでも、群内で敢えて特徴ある大学を挙げるとすれば、紅一点であるお茶の水女子大学だろうか。
また、他の構成員は立地面ではいずれも微妙だという評判が多い中、当学は東京都文京区という好立地である。「東京のド真ん中」という程ではないかもしれないが、ほぼ都心と言ってもいいA級立地だ(近くの大塚を意識すると“う〜ん”って感じだが、逆方面の飯田橋・神楽坂側まで来ると都心感出てくるだろう。ちと遠いか?)。
過去と未来
「過去の栄光」と言わせてはならん
ランク紹介のページでも記載したが、この「TOCKY」のランク帯には昔はもっと凄かった大学が多い。
二期校時代の横浜国立大学の超難関ぶりを知っている若者は今どれくらいいるのだろうか。ワシの現役時代よりもずっと前の時代に遡るが、親戚にその時代の横国に合格した人がいたのだが親父さんはとにかく周りに手当たり次第にマウント取りまくっていたらしい。現在も後期入試定員の多さでその面影を残しており、在学生のレベルとしてはもしかしたら当大学群最強の可能性もある。前期入試でも、建築学科の難易度は大阪大学並み。
東京教育大学時代の筑波大学、女子大全盛期時代のお茶の水女子大学も地帝以上の高難度、神戸大学の経済・経営学部もかつては大阪大学以上だったとか(今でさえ地帝以上なのにこの状態で凋落後だったとは・・・)。千葉大学はよく知らん(笑)。
逆襲がはじまるか
もし昭和の時代に「TOCKY」のメンバーで大学群として認識されていたならば「第二旧帝」と呼ばれていたのかもしれない。いや、帝国大学じゃなかった時点で旧帝ってのはあり得ないだろなんて、寒いことは言わずに。。。
現代ではほとんどの「旧帝国大学」は「指定国立大学法人」の肩書も得て、研究の世界ではその地位をさらに盤石なものにしている。それに対して「TOCKY」はその地の利を活かして(大都市圏に属するという意味)今後さらに受験の世界での地位を引き上げ、就職市場でもより注目されるようになってくるのか、今後が楽しみな大学ばかりである。
地味に「指定国立大学法人」でもある筑波大学がやはり最もアツいだろうか。「TOCKY」筆頭の座や「地帝」も脅かしてくるかも・・・東京から微妙に離れた距離と、就職市場におけるプレゼンスが玉に瑕だが、勢いは充分だ。