(速報版)23年卒 有名企業400社実就職率ランキングについて

コラム

続報版はコチラ

はじめに

出ましたね

※8月末の元ランキング更新により、当記事も更新しております。

当サイトの学歴ランク付けにおいて重要な要素となっている就職力について、その指標となっている、お馴染み「有名企業400社実就職率ランキング」の23年卒版が2023年8月21日に大学通信さんよりリリースされた。

現段階では上位100大学のみの速報版だが、今回も一波乱あったので、簡単にご紹介していきたい(8月31日更新により、波乱は落ち着きました)。

全体感

良くなってる

予想通り、新型コロナウイルスによる不況の反動か、成績を上げた大学が(TOP100においては)8割にも及ぶ。

リクルートワークス研究所さんの大卒求人倍率調査では、22年卒の1.50倍⇒23年卒1.58倍に上昇したとのことであったが、肌感覚としてはそれをはるかに上回るように感じるくらいの改善ぶりであり、コロナ感染拡大直前の20卒の雰囲気に近づいてきたイメージだ。

理系主体の大学は相変わらず強いのだが、私立大学をはじめとした文系主体の大学も復調しており、景気の戻り具合を感じさせる結果となった(外大とか微妙なところもあったけど・・・ま、これからだろうな)。

ランク別

ランク 就職率 上位との差
S級 43.3 %
A級 32.2 % 11.1
B級 24.1 % 8.1
C級 14.0 % 10.1
D級 11.1 % 3.0
E級 8.9 % 2.2
F級 9.1 % -0.2

アルファベットのみの大雑把なランクで見ると、上から下までほぼランク通りとなる(各ランク、全大学が含まれているわけではありません)。

詳細ランク 就職率 上位との差
S級上位
S級中位 30.8 %
S級下位 49.6 % -18.8
A級上位 39.1 % 10.5
A級中位 32.5 % 6.6
A級下位 27.4 % 5.1
B級準A 26.1 % 1.3
B級上位 29.4 % -3.3
B級中位 22.9 % 6.4
B級下位 21.7 % 1.2
C級上位 15.5 % 6.2
C級中位 13.9 % 1.6
C級下位 13.3 % 0.5
D級上位 9.9 % 3.5
D級中位 10.2 % -0.3
D級下位 15.6 % -5.5
E級 8.9 % 6.7
F級 9.1 % -0.2

上位とか中位とかついている詳細ランクで見ると、ところどころ逆転している箇所もある。背景を詳しく語ってもいいのだが、めんどくさいので割愛。

上がった大学

先述の通り今回は殆どの大学で上昇を見せており、82もの大学で成績がUPしている。中でも、5ポイント以上上がった大学は以下の通り。

大学 昨年との差
豐田工業大 16.4
東京工業大 6.6
名古屋工業大 5.6
芝浦工業大 7.5
立教大 5.8
学習院大 6.3
東京海洋大 6.8
滋賀大 5.0
秋田大 5.2

例年トップを争うS級大学の双頭を抜き去って天下を取ったのが、豊田工業大学。人数が少ないので変化の振れ幅も大きくなりやすいとはいえ、年々順位を上昇させ、大躍進を遂げた。

芝浦工業大学は今回3割バッターへと返り咲き、「らしさ」を取り戻してきた。立教大学・学習院大学といった文系の古豪も復活の狼煙を上げている。

下がった大学

それに対して、下がった大学は16。前年度と同じだった大学は1。ランク付け対象外も1。

今回残念ながら下がってしまった大学については、ワースト2までは4%以内、そもそも下がった大学の8割が3%以内のDOWNであり、緩やかな下落で済んでいる。

だが今年は、その程度では到底済まなかった「一人大負け」(と思われた)の大学がある。

神戸大学 - 8.6P

息しとるか~!?!?
※追記(9/3):
やっぱり間違いだったようです(笑)

 8月末訂正されました

これには驚いた人も多いだろう(本当だったら面白かったのにな~ ←)

学歴的には実に面白い立ち位置の大学であり、その入試難易度にしては知名度に乏しいため過小評価がされがちであり、当サイトにも大変厳しい声を頂くこともしばしば(お気持ちはわかりますが、もう少しお手柔らかにお願いしますよ~ 泣)

関西圏とはいえ、文系主体の地方国立大学(なんて書くとまた怒られるのだが)にしては伝統的に就職が強く、その人気・実力は確かである。だが今回、その就職で25位分も順位を下げて大コケしてしまったのだ。これでは「関関同立」へ行った方がよっぽどコスパが良いことになってしまう。

万が一、この成績が今後常態化してしまえば、経済・経営学部が看板学部といわれる中、大学としてのアイデンティティを揺るがす事態にもなりかねず、これは深刻な局面を迎えたと言わざるを得ない・・・という情報がリリース時点では出されていたのだが・・・。

でもこれ・・・ホンマ?

やはり何かの間違いだったようで、8月末の更新時に18.9%(41位)⇒29.8%(16位)と訂正された。打率3割返り咲きは僅かに逃したものの、順位は前回通り(国際教養大学が見当たらないが)となり、順当な位置となった。まぁ、そりゃそうだろうな。

前回の東京工業大学の大暴落にも驚かされたものだが、今回は就活における売り手市場が加速した年であり、文系も勢いを取り戻しつつある。多くの大学が成績を好転させた状況において、特に就職を得意とし、一応A級大学(一応難関国立10大学)として大手企業に多くの採用枠が確保されているであろうこの大学が、9ポイント近くも下げるなんてことがあり得るのだろうか?つまらない結果にはなってしまったが、やっぱあり得るわけなかったな(笑)。

過去10年以上にわたる神戸大学の成績を振り返っても20%どころか、25%すら下回った記録も見当たらず、そんなに不況でもないような年で圧倒的ワースト記録を更新するとは、一体何が関係しているのか正直見当すらつかない(ただのマチガイだったようです)。

波乱は終息しました。

有名企業400社への就職者数で言えば、前回から200名をはるかに上回る(前年比で3割ダウン)学生が大手企業への内定を逃したということになる、そんな大量虐殺状態が神戸大学でだけ起こったということだ。これは俄には信じ難いのだが、今回の結果には大学院生が入っていない可能性もあり、続報での修正も、もしかしたらあるかもしれない(前回の東工大なかったから、やっぱ今回もないかな~・・・と期待していたが 笑)

司法試験・公認会計士のようなプラチナ資格でも高い実績をあげている大学なのだが、公務員試験も含めて規模感にして3割以上の民間志向からの大移動が発生するなんてことは現実的には考えづらい。今年の回の大暴落もであり、何が起こったのかマジで分からず、発表当時は驚きが冷めやらない状態だった。

ちなみに、成績が訂正されていた大学は、他にもう一つ見られた。

前回のドボンは

前回で大暴落の憂き目にあった東京工業大学は、今回5割返り咲きこそ逃したものの、それに近い就職率にまで回復してきた。

有名企業400社への就職者は21年⇒22年で90人近く下落していた。しかしその分、進学者も多かったので、前回の-10%分を軽く越える大暴落を起こすほどのインパクトはなかったはずなのだ。

実は、21年卒⇒22年卒で卒業生数が約300名分増加しており、分母が拡大していた影響が大きかったようだ。約300名というと、これは博士課程の卒業者と似たような数になるのだが・・・これ以上の詮索はやめておこうか(汗)。

大学群別

大学群 就職率
東京一工 43.3 %
早慶 39.1 %
旧三商大 33.3 %
電農名繊 32.5 %
上理ICU 30.5 %
地帝 30.0 %
筑横千 23.5 %
GMARCH 22.9 %
四工大 22.6 %
関関同立 22.1 %
女子大御三家 17.2 %
金岡千広 15.0 %
5S 14.5 %
成成明学獨國武 10.4 %

※ 一部の大学が含まれていない大学群があります。

東京一工」と「早慶」の強さは圧倒的であり、「電農名繊」がそれらを追いかけるという恒例の構図である。先述の通り、神戸大学の復活により「旧三商大」も追い上げてきた。

ただし、有名企業400社実就職率ランキングは公務員試験や教員採用試験の道に進む者、医学の道に進むものも分母に含んでしまっている。さらに、数はだいぶ減ったとはいえ、一般職・エリア限定総合職の存在もある。私立大学に有利、国公立大学に不利となる要素があるため、それらを補正しないと真の就職力は分からない。

とはいえ、有名企業400社の内訳としてははメーカーがダントツに多い。学校推薦制度を使ってメーカーへの就職が出来る理系主体の国立大学が有利になる側面もあることも忘れてはならない。

おわりに

「大学は就職のために行くところなんかじゃない」と言われるが、大学・学歴が就職のための道具にされている面は否めない。学問・研究に勤しむことこそ学生の本分であることは間違いないとは言っても、殆どの学生は民間企業へと就職していく。就活、そしてそれに強固につながる大学受験はなかなか避けて通れないというのが現実だ。

また詳細情報が秋の入口が見えたころに出てくるはずなので、23年卒の続報を待とう。

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